江戸体験之巻 PART2
次に俺とチーちゃんが向った場所は、忍者の体験ができるという『忍者之里』。ここでは、様々な忍者の修行を体験できるらしい。
「ねぇねぇ。どのコスチュームにする?」
チーちゃんが忍者の服を持ちながら俺に聞いてきた。俺は薄めの青の服装に決めた。
「そっちの、薄めのピンクでいいんじゃない?」
俺が返答をすると、チーちゃんは
「じゃぁ、コッチ」
と呟いて赤の派手な服を選んだ。
「俺、関係ないじゃん……」
俺は嫌味をチーちゃんに言ったが、
「好きな色を着ると、新しい道が開けない!」
と言って俺に言い張った。もう、どうでもいいけど。
「こちらへどうぞ」
仙人を意識したであろう格好をした青年が、俺たちを外へ出した。つーか、青年じゃないほうが良いでしょ? リアリティが足りない。
「こちらの忍者の村からは、この案内人が案内致しますので、少々お待ちください」
「はい」
俺は青年が帰るのを見てから、チーちゃんの方を見た。
「まだかなぁ?」
最初は俺のほうが好奇心剥き出しだったが、今となっては逆だ。もう少し、周りの視線を気に出来ないのだろうか、この人は?
「お待たせ! 私が今回の案内忍者、イモリです! よろしく♪」
元気よく俺たちの前に現れた女性は、イモリと名乗った。なんだかこの感じ、チーちゃんに何処となく煮ているような気がする。
「まずは、村長さんに挨拶に行きましょ♪」
俺とチーちゃんの前を歩きはじめたイモリさん。どう考えても20代後半だが、やっていて恥ずかしくないのかな? いや、仕事に集中してるのかもな。
「では、私はこちらで待っていますので、お2人で行ってくださいませ。村長部屋3でございます」
「え? ついてきてくれないんですか?」
チーちゃんが聞いた。俺も驚いた。まさか、部屋の前で終わりなんて。しかも、村長部屋3って……。何人いるの、村長さん?
「失礼します!」
チーちゃんが勢いよく襖を開けた。
「ちょっと、失礼だよ、チーちゃん。もう少し遠慮しないと」
「いやいや、結構結構! では、修行の話をしたいと思っているのだが、何か質問は?」
村長さんが俺とチーちゃんに尋ねた。俺は特になかったので、
「いえ」
と答えた。
「Me too.」
チーちゃん、ここは日本だよ? と教えたかったが、村長は意味を理解できたのか、話を進めた。
「ここでは、4つの修行を行うことができる。ソナタ達2人は、イモリと共に道具屋で回復薬、飛び道具などを集めてもらう。いくつか修行をクリアしたところで、終了じゃ。どの修行を先に行っても構わない。だが、最初じゃ。回復薬を買うと良い」
村長さんはそこで話を一旦止め、棚から子袋を取り出した。
「?」
チーちゃんは受け取りながらも、疑問符を頭の上に乗っけたままだった。
「そこに200EDOが入っておる。もちろん、外界では使えぬ。忍者之里でのみの使用じゃ。では、出て行くとよい」
結局、村長さんしか話をすることもなく、俺とチーちゃんは外に出た。
「あっ、終わりましたね♪ では、この忍者之里の地図となりま~す」
イモリさんが俺とチーちゃんに地図を渡してきた。この忍者之里を大きく分けると、『忍者の村』『修行場』が1~4までだ。
「では、まずはどこへ向いますか?」
イモリさんはいつでも笑顔だった。俺はチーちゃんの意見を黙ってまった。
「じゃぁ、道具屋で」
チーちゃんがそう言うと、イモリさんは
「は~い!」
と返事をして連れて行ってくれた。
『何でも屋』
と書かれた看板を掲げた店に入ると、『回復薬…50』と書かれていた。そのほかの道具は全部200『EDO』以上だったため、俺たちは回復薬を4つだけ買った。
「ではでは。どの修行をしますか?」
修行場をここで紹介します。『第1の修行:跳び池の場』『第2の修行:獲物落しの場』『第3の修行:肉体激化の場』『第4の修行:焼き地獄の場』。う~ん、最後の2つは変な想像しかできない。
「何個やればいいんですか?」
チーちゃんが聞く。
「2つですね。お2人で合計ですけど」
「そっか。トシは何がいい?」
「俺は……」
「せーのっ」
チーちゃんがいきなり掛け声をかけた。俺は何をしたいか決まっていないが、目についたのを言った。
「獲物落し!」
「飛び池!」
俺が前者でチーちゃんが後者。2人ともバラバラだ。
「じゃぁ、」
チーちゃんがニヤと笑った。
「終わったら、ここで集合!」
チーちゃんの1言で、全ては決まった。俺が『第2の修行』でチーちゃんが『第1の修行』だ。
「では、まずは御殿方からの案内となりま~す♪」
俺とチーちゃんとイモリさんは、案内で分かれた。
この話は本当は家での予約掲載にする予定でしたが、学校での授業があったので、今回は、普通に投稿しました。久しぶりの非予約掲載でした。次回からは、予約掲載にし、11時に掲載できるようにしたいと思います。