表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/60

再開。

 『ハムハムバーガーセット』。全国進出をしている大手ファーストフードチェーン店の料理を目の前にして、俺は言葉を無くした。

 結局、俺とチーちゃんは空腹に負けてこの店に入った。

「……はぁ。ドライブしてれば、ねぇ?」

「スミマシェン……」

目に見えて落ち込んでいくチーちゃん。こうなると、いつもイジられている分を一気に返したくなる。

「What time is it now?」

もちろんチーちゃんお得意の英語で。

「14時54分です……」

「しかも量はこれだけ……」

普通に足りる一人前のポテトとハムバーガーとジュース。

「サラダ買ってきます」

チーちゃんがレジに向ったところで俺は止める。

「いや、いいって! 嘘だって。冗談だよ。俺、この店好きだし」

精一杯のフォロー。俺だって根っからのいじめっ子じゃない。だから切りのいいとこで止めとかないと、面倒だ。

「もぉ……。酷いよ」

『酷い』と言いつつも頬を赤く染めているチーちゃん。照れているのが丸分かりだ。

「早く食べないと、練習時間減るんじゃないの?」

俺が話を切り替えると、チーちゃんは直ぐに元に戻った。

「そっ! だから早く食べよ」

チーちゃんは『ハムハムチーズバーガー』を食べて御満足気に笑った。これぞ正しく『ファーストフード奥義。手早く笑顔キャッチの法』だな。

 『皆草の湯』に戻ると、すぐに着替える。外出時まで、体操着ってのもおかしいから、俺はキチンと着替えた。つまり、また戻ったら着替えなおさないといけないわけで。

「よっしゃ。いこ?」

俺はラケットを確認して笑う。

「うん!」

先ほどとは立場逆転。俺がチーちゃんを誘導。

 卓球場ついて、場の雰囲気が違うのが分かった。

「……」

「……」

「……」

「……」

「……」

「♪♪♪」

さっき入っていった3組、計6人の中で、笑顔で卓球を楽しんでいるのは1名だけ。

「……あっ、お帰りなさい♪ 利信ちゃん♪ 心の奥底からキミに会いたかったよ?」

自分の意見を疑問形で占め、言葉のほとんどの締を『♪』で区切る独特の話し口調。一番、思い出してはいけない『危険』信号満載の笑顔。

「………あっ……」

卓球をした人に『絶望』を与える死神と部内で名を高めた人間。姿形が格好いいがために誘惑される女子を丸飲みにしたかのように『無希望』な人間。『堕落』『地獄』『マイナス』『低位置』。この人を表すのに、必要な用語は片いっぽだけ。マイナス面の言葉を並べればこの人に辿り着く。それが――富樫、

「先輩……」

「やっと呼んでくれた♪ 待っていたんだよ? 利信ちゃん、なかなか俺を思い出してくれないからさ。心の奥底から、泣きたくなったよ」

「トシ、誰? この変態」

チーちゃんが俺に尋ねる。正直、答えたくない。この人を知れば、チーちゃんの墜ちるから……! でも、チーちゃんの目が本気だった。この人は大丈夫。そう思えた。

「先輩、だよ。一応ね」

俺の言葉に、『先輩(仮)』はクスリと笑った。その笑顔も、知っている人からみれば、悪魔に視える。

「一応、って酷いなぁ。心の奥底から傷ついた♪ 初めまして。俺は貴女がいなくなってから入ったピカピカの1年生。富樫 拓です。心の奥底からよろしくお願いします」

「あ、よろし「ふふ」

チーちゃんが挨拶を返そうとしたときに、『先輩(仮)』が笑った。

「知ってますか? 変態とは、『変』な『態』度をとった人間のことです。俺はまだ貴女に変なことはしてませんので、変態ではございません。もう1つ付け加えれば。貴女は今変態と認識した俺に――」

さっきの説明にもう1つ追加。この人は、人を嫌にさせる話し方をする。

「――挨拶を交えた。つまり、貴女はうそつきだ」

「先輩。1つ言い返します。チーちゃん、は、先輩を『人間』とは認識していないから、その常識は通用しませんよ?」

「言い返すねぇ……。また壊しちゃうぞ? とはいっても、元々そのつもりだけどさっ♪ 心の奥底から、ひねり潰す♪」

俺は横で汗を出しているチーちゃんを見て思った。 このままじゃ、不味いな。俺だって、何時までもつか……。


 千鶴は、自分で確認している以上の汗をたらしながら、心で状況を理解した。

(この子は、私が知らない帝國大学の生徒。そして、危ない子……)

と。

どうも、春馬令です。いつも有難う御座います。

ここで報告です。そろそろ受験とテスト間近となりました。そこで、恐れ入りながら、更新のタイミングが遅れると思います。しかし、必ず1週間に1度以上の更新をしますので、見ていっていただけると嬉しいです。

 さて。この富樫さんとトシ篇(篇ってのは、今つけました)は、もう最後まで話は出来ています。なので、予定では後3〜4話程度です。 なので、2月中には終わらせたいと思います。 では、今後とも『卓球&好きの物語』と一緒に春馬令をよろしくお願いします。あとがき長くてすみませんでした。 2011年1月 26日23時41分。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ