表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/60

ゴメン

 ベンチ側。大鉄暁と城峰千鶴は、静かに会話を交えた。

「気づいてたんだね」

「はい」

今までこんなに真剣にこの人と話したことがあるのだろうか? 暁はそんな感想を持っていた。

「あのサーブは危険です。横回転で相手のラケット範囲では届かない程度に曲げる。一番理想のサーブですね。でも、その分ラケットの振りが複雑になって、肘にダメージが残ります。それだけならまだ救いはあります。ただ」

「トシはサーブの時に、膝を下げる癖があるからね。その分のダメージも大きいのよねぇ」

他人事。でも、千鶴には自分のことのように感じていた。正直な所、自分でも好きかどうかは分からない。微妙なところだ。だからこそ、今の定位置は『弟』であって『息子』でもある。千鶴は、利信をそう考えていた。

――お願いだから、ムリはしないでよね。

心配ばかりが優先して、試合に集中できていない。

「城峰コーチ、村井、自分で気づきますかね?」

「分からない。でも、今はトシを信じなくちゃね。キミだって、信じてるんでしょ?」

「はい、もちろんですよ」

千鶴の問いに、迷いなく答える暁。その2人の視線は、台に一直線で向っていた。

 

 その時、俺の耳に2人の会話が聞こえるはずもなかった。大鉄先輩の言った意味が、今になって分かった。

「痛てぇ」

肘と膝。卓球をする上で一番大事と言ってもいい場所に、俺は痛みを感じ始めた。でも。

「負けらんねぇ」

点差は5分で酷いほど広がった。サーブのキレがなくなった俺のクリーンボールは何度となく返され、ツッツキ合戦で負ける。齋藤さんのサーブでも同様。9対2。それも、2点は齋藤さんの簡単なミス、同情だった。

「ほら、いくぞ?」

嫌なことに、齋藤さんは俺に声を掛ける。サーブがくる。目に神経を集中させればラケットを振るタイミングが遅れるし、目に集中させなさ過ぎても見切れない。その微妙な調整が俺にはできなかった。

「嫌だ」

本当に、蚊の泣くような声で、俺は叫んだ。

 負けた。セット数3対2。どうやって残りの2セットを取られたかは覚えてない……。

 俺の高校初試合は、無残なほどまでに後悔の爪あとを残した。『先輩の指示を聞いていれば』。そんな後悔、しても遅いのに。

 気づいたら俺は、外の広いコンクリートの広場に、チーちゃんと1対1で向かい合っていた。

 「次、荒木先輩の試合でしょ?」

やっと声が出た。チーちゃんの口が動く。何? 何を言ってるの? 怒ってるの? 励ましてるの? 嘲笑ってるの? 分からない、皆のことが。

「大丈夫、皆を信じて」

やっと聞き取れた言葉がそれだたった。

「うぅ……。ゴメン、ゴメン……!」

「頑張った。頑張った」

はい。

試したい事第一弾!

第三者目線でした。最初だけですけど・・・・・・。


次の話でも、やってみたいことがあるので、一読をお願いします。(最近、一読って言葉にハマっています)

感想も随時お待ちしていますので、宜しくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ