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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

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第81話 帝国視察団

 空港上空に、帝国旗を掲げた大型飛行艇が降下する。


 アストレア帝国視察団。


 報道陣のフラッシュが瞬く。


 中央調整局のロビーには、政治家と技術者が並んでいた。


 その先頭に立つのは、カルディア・ヴェルナ。


 長い銀髪を後ろで束ね、無駄のない所作で歩く。


 視線はまっすぐ。


 傲慢ではない。

 だが揺らぎもない。


「歓迎いたします」


 形式的な挨拶が交わされる。


 カルディアは穏やかに微笑む。


「我々は学びに来ました」

「より安定した世界を築くために」


 言葉に棘はない。


 だが、その自信は隠れていない。


 エルドは一歩後ろで見ている。


 彼女の背後には、帝国技術者たち。


 携帯型演算装置が光を放つ。


 その演算速度は、明らかに自国中央網より速い。


 ロビーの大型モニターに、帝国Ω網のデモ映像が流れる。


 境界域発生。

 即時自動補正。

 人の介入ゼロ。


 観衆から小さなどよめき。


「迷いがない」


 誰かが呟く。


 カルディアはエルドに視線を向ける。


「あなたが現場責任者ですね」


「エルド・レイヴンです」


「伺っています」


 その言い方に、わずかな含みがある。


「あなた方は、最終判断を現場に残しているとか」


「はい」


「なぜですか」


 直球。


 エルドは答える。


「差を残すためです」


 カルディアは首を傾げる。


「差は誤差です」


「差は責任です」


 一瞬、空気が静まる。


 カルディアは微笑む。


「責任は制度に持たせるべきです」

「人は揺らぐ」


 正論。


 エルドは反論しない。


 ロビーの外で、記者が叫ぶ。


「帝国技術導入の可能性は?」


 政治家が答える。


「前向きに検討中です」


 拍手。


 期待。


 未来。


 ノアは壁際で静かに見ている。


 カルディアが彼に気づく。


「あなたが、ノア・エルディン」


「違う」


 即答。


「私は装置ではない」


 カルディアは眉を動かす。


「英雄と聞きました」


「制度を疑っただけだ」


「疑いは不安定です」


 ノアは短く言う。


「完璧は、脆い」


 カルディアは笑わない。


「完璧は、止まりません」


 断言。


 エルドの胸がわずかに軋む。


 その夜。


 中央局の窓から、街の灯りが見える。


 帝国技術のデータは、明らかに優秀だ。


 揺らぎは即時補正。

 遅延ゼロ。


(本当に、止まらないのか)


 端末が震える。


『帝国Ω網、明日公開実演』


 世界が見守る中での実演。


 エルドは深く息を吐く。


 揺らぎは、今もどこかで息を潜めている。


 そして帝国は言う。


 ――止まりません。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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