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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

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第78話 差を戻す

 広域均一化傾向。


 中央網の解析画面には、ほぼ平坦な波形が並んでいる。


 揺らぎは小さい。

 だが均一。


 差が、消えている。


「均一化が進行しています」


 リスの声は冷静だが、硬い。


「演算対象外波形が増加傾向」


 セドリックは腕を組む。


「差分検出アルゴリズムを強化しろ」

「微小変動も拾えるようにする」


 合理的だ。


 だがエルドは静かに言う。


「拾う差が、もうありません」


 室内が静まる。


「差がなければ、

 揺らぎは一斉に動く」


 ノアの言葉が重なる。


 均一な水面。


 小石一つで、全体が波打つ。


 数日後。


 再び均一化事象。


 広域全体が、わずかに沈む。


 揺らぎはない。


 ただ沈む。


 中央は演算不能。


 補正値なし。


「補助展開」


 エルドは即断する。


 今度は、沈む前に。


 小規模の魔力波を、

 意図的に広域へ流す。


 均一な面に、

 あえて“差”を作る。


 波形が乱れる。


 小さな凹凸が生まれる。


 沈みが止まる。


 中央網が再び演算を開始。


『波形再取得』

『補正可能』


 均一が崩れたことで、

 演算が戻る。


 会議室。


 セドリックは険しい顔をしている。


「意図的に揺らしたな」


「はい」


「規則外だ」


「均一では演算不能です」


 ミレイアが低く言う。


「つまり、差を戻したのね」


「はい」


 エルドは頷く。


「揺らぎは削られすぎています」

「差がないと、止まる」


 ノアが小さく笑う。


「制度は差を嫌う」

「だが差がなければ、

 世界は動けない」


 セドリックは沈黙する。


「意図的揺動は危険だ」


「均一の方が危険です」


 言葉がぶつかる。


 だが否定はできない。


 夜。


 屋上で、エルドは空を見上げる。


 揺らぎは、敵ではない。


 削られすぎた結果、

 均一という形を選んだ。


 ならば。


(差を残す)


 完全な安定ではなく、

 小さな揺れを許容する。


 端末が震える。


『中央網、意図的揺動検討』


 制度が、

 揺らぎを受け入れ始める。


 だがエルドは知っている。


 これは始まりに過ぎない。


 差を戻すという選択は、

 責任を戻すということだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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