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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

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第76話 冗長という名の依存

 中央網拡張案。


 冗長化。


 二重化。

 三重化。


 演算停止を起こさないための設計。


 理論上、正しい。


 セドリックは会議室で説明する。


「停止を防げば、揺らぎは抑えられる」

「空白は消せる」


 数式が空間に浮かぶ。


 演算網を分散させ、

 どこかが落ちても補完する。


 合理的だ。


 誰も反対できない。


 エルドは静かに問う。


「停止が起きなければ、揺らぎは消えますか」


「最大化は防げる」


「消えますか」


 セドリックは一瞬だけ沈黙する。


「揺らぎは自然現象だ」


 正しい。


 だが核心はそこではない。


 ノアが口を開く。


「冗長化は、依存を強くする」


 視線が集まる。


「止まらない仕組みは、便利だ」

「便利なものは、疑われない」


 ミレイアが静かに言う。


「では、どうすればいいの」


 ノアは答えない。


 エルドが代わりに言う。


「空白を消すのではなく、

 空白に備えるべきです」


「人の判断で?」


 セドリックの声は冷静だ。


「演算より遅い」


「ですが、止まりません」


 室内に重い沈黙。


 冗長化は可決される。


 中央網はさらに強化される。


 数日後。


 揺らぎは沈静化。


 演算遅延ゼロ。


 全域同期も発生しない。


 数値上、安定。


 だがエルドは違和感を消せない。


(静かすぎる)


 屋上でノアが言う。


「揺らぎは消えたか」


「観測上は」


「観測上、か」


 夜風が吹く。


 そのとき、端末が震える。


『演算網負荷、急低下』


 負荷が、下がる。


「……?」


 次の瞬間。


 中央網が、自発的に演算を縮退させた。


 負荷軽減の自動制御。


 一瞬の、空白。


 揺らぎが、戻る。


 全域ではない。


 だが複数地点が同時に沈む。


「補助展開!」


 今度は迷わない。


 人の判断で、先に動く。


 揺らぎは広がらない。


 だが中央網は再び補正を開始。


『自動負荷調整成功』

『問題なし』


 問題なし。


 エルドは深く息を吐く。


(止まらない仕組みも、揺らぐ)


 完全はない。


 制度は揺らぎを削る。


 だが削りすぎれば、

 揺らぎはまとめて戻る。


 ノアが静かに言う。


「強くするほど、戻りは大きい」


 エルドは頷く。


 揺らぎは敵ではない。


 削られた差が、

 一斉に噴き出すことが危険なのだ。


 端末がまた震える。


『予測不能事象検知』


 初めての表示。


 予測不能。


 エルドは目を細める。


 揺らぎは、次の形を選んだ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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