表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ
第2部 選ばれない世界のその先で

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/87

第69話 四点の輪郭

 境界域群Kは、都市近郊に点在する小規模領域だ。


 K-1、K-2、K-3、K-4。


 地図上では離れている。

 だが発生時刻は、ほぼ同時。


『中央予測:個別収束』

『拡大リスク低』


 表示は変わらない。


 エルドは深く息を吸う。


「全班分散。補助展開は初動から用意」


「規則外です」


「準備だけだ。展開は指示後」


 曖昧な妥協。


 中央の命令を破らない範囲で、

 自分の感覚を残す。


 現場到着。


 四地点とも揺らぎは浅い。

 だが脈動の間隔が揃っている。


「間隔、二秒」


 ミアが告げる。


「縮んでいます」


 二秒。


 四点が、一定のリズムで呼吸している。


『収束予測、三十秒』


 中央のカウントが始まる。


 二十八。

 二十七。


 エルドは四地点の波形を重ねて見る。


 個別では小さい。

 だが、位相が揃っている。


(同時に跳ねる)


 二十秒を切った瞬間、

 四地点が同時に沈み込んだ。


「補助展開!」


 今度は迷わない。


 中央からの通信は間に合わない。


 四地点が一斉に脈動。


 だが補助結界が先に張られる。


 衝撃は抑えられる。


 収束。


 被害なし。


 静寂。


 数秒遅れて、中央が反応。


『四地点同期を確認』

『新規連動パターンとして登録』


 登録。


 追記。


 更新。


 エルドは端末を閉じる。


(また後追いだ)


 中央は学習する。

 だが常に、事後だ。


 撤収後の会議。


 セドリックの声は冷静だ。


「四点同期は予測外だった」

「だが被害はゼロだ」


 視線が交わる。


「補助展開は妥当だった」


 初めて、明確な否定はない。


 だが続く。


「次は予測できる」


 自信。


 論理的根拠もある。


 中央網は巨大だ。

 学習速度も速い。


 それでも。


 エルドの胸は軽くならない。


 夜。


 記録室で、四地点の波形を重ねる。


 一点。

 二点。

 三点。

 四点。


 脈動間隔は、


 五秒。

 四秒。

 三秒。

 二秒。


 縮んでいる。


 次は一秒か。


 それとも。


 ノアが背後に立つ。


「輪郭が見えてきたな」


「何の、ですか」


「揺らぎの意思だ」


「意思?」


 エルドは眉をひそめる。


「揺らぎは自然現象です」


「そうだ」


 ノアは頷く。


「だが、人が整えすぎると、

 自然は別の形で揺れる」


 意味がすぐには掴めない。


 端末が震える。


『境界域群L、五地点同時検知』


 五地点。


 間隔は、一秒。


 エルドは静かに目を閉じる。


 誤差は、もう線ではない。


 面になり始めている。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ