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学園で無能扱いされた俺、鑑定不能なだけで全属性最強でした ~面倒なので黙ってたら、なぜか学園と国に監視され始めた件~  作者: 黒羽レイ


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第11話 無能には、学園の外はまだ早いらしい

 最近、俺の予定表が少しだけ埋まるようになった。


 授業は変わらない。

 評価も変わらない。

 相変わらず最下位のままだ。


 なのに。


「ノア・エルディン」


 放課後、ガルドに呼び止められた。


「この書類を、事務棟まで運べ」


 渡されたのは、分厚い資料の束。


「了解です」


 内容は見ない。

 見ても分からないし、

 見る必要もない。


 事務棟は、学園の奥にある。

 普段、生徒が近づくことはほとんどない。


(……最近、ここに来ること増えたな)


 ただの雑用。

 そう思っていた。


 だが。


「……外部任務、か」


 事務室の奥から、声が聞こえた。


 思わず、足を止める。


(聞いちゃいけないやつだな)


 分かっている。

 だが、耳に入ってしまった。


「学園内だけでは、限界がある」


「しかし、あの生徒を外に出すのは――」


 声が低くなる。


 俺は、そっと足を動かした。


 聞かなかったことにする。


 事務室に資料を置き、

 用事はそれで終わりだった。


 帰り際。


「ノア」


 事務担当の教師が声をかけてきた。


「最近、雑用が多いな」


「そうですね」


「嫌か?」


「いえ。楽です」


 本音だ。


 事務仕事は、

 魔法演習より気楽だ。


 教師は、少しだけ困った顔をした。


「……そうか」


 それだけ。


 その日の夕方、演習場。


 いつも通り基礎練習をしていると、

 別のクラスの生徒たちが騒いでいるのが聞こえた。


「え、学園外任務?」


「今年は早くないか?」


「成績上位者だけだろ」


 ――学園外任務。


 初めて聞く言葉だ。


(……ああ、そういうのもあるのか)


 俺には関係ない話だ。


 成績上位者。

 優秀な生徒。

 期待されている人間。


 全部、俺とは無縁。


「ノア」


 声をかけてきたのは、

 例の平民の生徒だった。


「聞いたか?」


「何をですか」


「学園外任務。

 教師が何人か、候補を見て回ってるらしい」


「へえ」


 本当に、それだけの感想だった。


「……興味ないのか?」


「ないですね」


 即答すると、彼は苦笑した。


「相変わらずだな」


「行っても、足を引っ張るだけですし」


 それも本音だ。


 彼は少し黙り込んでから、言った。


「……そう思われてるの、

 お前だけかもしれないぞ」


「?」


 意味が分からず首を傾げる。


 彼は、それ以上は言わなかった。


「まあ、いいや。

 俺は候補にもならないし」


 そう言って去っていく。


(……なんだったんだ)


 放課後、校舎を出る前。


 掲示板の前に、人だかりができていた。


「学園外任務・事前調査参加者募集」


 張り紙には、そう書かれている。


 条件欄を見て、納得した。


「成績上位者のみ」


 ほら、やっぱり。


 俺は、そのまま通り過ぎる。


 関係ない。


 無能の俺には、

 学園の外はまだ早い。


 ――そう、思っていた。


 その夜。


 事務棟の一室で、

 教師たちが再び集まっていた。


「外部任務の枠だが」


「“あの生徒”をどうする」


「候補には入れない。

 だが――」


「同行は?」


 短い沈黙。


「……雑用としてなら、

 不自然ではない」


 誰も反論しなかった。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


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