6.ダガーズと再会
私とルナ、シーラ様は闘技場内の観客席から、騎士様達の鍛錬の様子を見学することにしました。
「あ、ダガーズ発見!」
シーラ様……視力いいですね。私には皆同じに見えます(豆粒サイズ)。
ダガーズ様がわざわざいらしてくれます。
「皇妃殿下におかれましては、今日もご機嫌麗しゅうございます」
と、お決まりの挨拶をしていた。
「いつまでそうやって他人行儀なのよ?義姉なのに~!!」
ぷうっと頬を膨らませてシーラ様は言った。叔母ながら可愛らしい……。
「あ、そうそう。私の姪のコリーナちゃんが貴方に用があって来たのよ~」
―――忘れるところだった。
「先日は、謁見の間まで案内をしていただき誠にありがとうございました。王弟殿下とは知らず不愉快な思いをさせてしまってのではと、思っている次第です」
「コリーナちゃん、真面目~。そんな訳なのよ~。ダガーズだって自分の身分とか言わなかったんだから仕方ないわよね~?」
「皇妃殿下の麗しの姪様であられるコリーナ嬢に再び会えることができて、俺は光栄です」
と、握手の手を差しだされました。握手をしようとしたのだけれど……。
「ダメよ~。そんな泥まみれ、汗まみれの手でコリーナちゃんに触ったら!」
「ハハハッ、義姉上のガードは固いなぁ。皇妃のことだから、『コリーナちゃん歓迎パーティー』とか開催を目論んでいるんじゃないですか?多分、コリーナ嬢は目立つのが嫌いですよ。ただでさえ美人で目立つのに、わざわざ高位貴族に顔を売り込む必要はないでしょう?」
「お嬢様の事よくわかってますね?」
ダガーズ様はルナが喜ぶ事を仰るのが得意なのでしょうか?
「同族なのかしら?ダガーズ様も目立つのがお嫌いなんじゃないかと察するわ」
そのあともシーラ様とダガーズ様は二言三言話したようで、それが終わるとダガーズ様は鍛錬に戻っていった。
「シーラ様、『コリーナちゃん歓迎パーティー』とか開催するのはやめてくださいね?そもそも、私はパーティードレスを少ししか持っていません!」
「それなのですが……お嬢様―――お嬢様の部屋のウォークインクローゼットに各種の服が取り揃えられております。もちろん、お嬢様のサイズでオーダーメイド……。もちろんドレスも多数ございます」
私のサイズはどこから?―――お父様がリークしたのでしょうか?
「―――公費は無駄遣いしないようにしてください」
「いやだぁ、コリーナちゃん。コリーナちゃんを着飾るのは無駄じゃないわよぉ~」
シーラ様もご存じなのかしら?
「学園は私服のようですけれども、どの程度の服を着て行けばいいのでしょう?町娘程度?お茶会程度?夜会程度?服も着まわしができた方がいいですよね」
「そのあたりの事はこのルナにお任せください!お嬢様に決して恥かかせるようなことはしません!」
「ゴメンね、コリーナちゃん~。私はこの国の学園を卒業してないから知らないのよ~。フェロー様ならご存じかも」
というより、知ってないといけないレベルの話だろう。
コリーナ父もシーラ様もルナもコリーナちゃん好き好きだなぁ。