3.リーク帝国へ
それから数日間は学園を休み留学の支度に勤しみました。
「お嬢様の学力なら余裕でリーク帝国の学園に留学できるでしょうね。全く変装(?)せずに行くと聞いてルナはとても嬉しいです!」
ルナに喜んでもらえて嬉しいです。
「それにしても、お嬢様の叔母様は皇妃様でいらっしゃるというのに、なんというかお若いですね」
「叔母様は若くしてリーク帝国に嫁がれたのよ。私が4・5歳の時だったかしら?だからでしょうね。手紙があんなにピチピチしていたのは」
叔母様というより、年が離れたお姉様という感じなのよね。実際そんな姉妹はいますし。
「なるほどです。嫁いでから、苦労したんでしょうね。そこで、お嬢様の留学話ですもの。叔母様もお喜びになるでしょうね」
「そうね、お会いするのが10年近くぶりになりますからね」
留学の支度といっても、各種書類手続きなどをするのみ。
一度だけ学園に顔を出しました。「留学をいたします」と。学園に拒否権はありません。欲しかったのは学園からの書類です。その書類を受け取るためだけに学園の方に一度だけ行きました。
「次回から、何か用がある時は家の者が学園の方に参ります。では、失礼いたします」
と、私は学園を去りました。学園に行く時間もきちんと授業時間に合わせて行きました。休み時間などだと周りが煩いですからね。特に令息は煩いのはもちろんですが、容姿で婚約破棄をされたという事で高位貴族の令嬢が絡んできて煩いのです。王太子妃になりたいのであれば容姿を磨けばよいと思います。今回の事で王太子が容姿を重視しているということが明らかになったのですから。
***
家でも数週間過ごし、最近のリーク帝国の情勢も頭に入れ、数日かけてリーク帝国まで行きました。
我が家の馬車ながらケチ臭く、皇城までは追加料金を要求してきましたので、御者の名前をしっかりと聞き、追加料金を払い皇城まで馬車で行くことが出来ました。
揺れる馬車の中で、御者が追加料金を要求しましたことについて、お父様に手紙を書き、マイ伝書鳩でお父様に手紙を送りました。『この御者は何?』という事です。ホウショウ家の御者ならそんなケチ臭いことは言わないでしょう。何なんでしょう?
とにかく!皇城に到着しました‼
「まぁまぁまぁ、コリーナちゃんてばすっかり大きくなって~。可愛かったのがすっかり美人さんじゃないのよ!」
「お久しぶりとなります、リーク帝国皇妃。コリーナ=ホウショウです。これからしばらくお世話になりますよろしくお願いします」
「ヤダぁ、堅苦しい挨拶!もっとフランクでいいのよ?私の事はシーラって呼んでね!」
昔のイメージそのままだなぁ。
「初めましてかな?私はリーク帝国皇帝のフェローだ。私もフェローと呼んでもらいたい」
「初めまして、フェロー皇帝。コリーナ=ホウショウと申します。しばらくお世話になりますよろしくお願いします」
「シーラ、君の姪は礼儀正しいなぁ。そして美人。出会った頃の君に似ているよ」
「フェロー様もそう思う?コリーナちゃんは美人さんよね?私に似ていたかはわかんないけど!」
フェロー様は多分シーラ様をちょっと口説いてたんじゃないかなぁ?思いっきりシーラ様が天然を発揮したようでしたけど。
お二人とも若々しく、美男美女だと思います。
見目で政をするわけではないのですが。
後半、皆様が楽しそうで何よりです。




