20.シーラ様の戦い
私はフェロー様からいただいたダガーズ様の予定表を元に、ランチには量をたくさん、主食も多く持って行く事にしました。
「俺は不思議だったんだけど、コリーナはいつもこんなにたくさんお弁当を持って来てるのか?」
「いいえ?ダガーズ様にお会いするときだけですよ?」
「あ!もしや!兄上‼」
「はい。ダガーズ様のご予定を教えていただきました。その上でお弁当の量を調節しております」
なんだか恥ずかしくなって赤面してしまったけど、ダガーズ様もなんだか赤面してらっしゃるのでオアイコです。
「キョウノオベントウハイカガデスカ?」
「コリーナガツクルベントウハオイシイヨ」
なんだか片言のようになってしまいました。
「あ、そう言えば!シーラ様のご懐妊の話はお聞きになっていますか?」
「もちろん。騎士としては、厳重に警備に当たらせてもらうよ。可愛い甥か姪だし」
ダガーズ様が叔父さんですか……なんだか似合わない。まだお兄さんですよ。フェロー様と年が離れてるからかなぁ?
そんなんで、私とダガーズ様がいつもランチをご一緒しているという事が公認となり、カップル扱いとなりました。
月日が巡るのは早いもので、シーラ様現在お産中です。
フェロー様はウロウロしてます。
ダガーズ様、その他の騎士様がガッチリと部屋をガードしているという話です。
警備の都合上ダミーの部屋もいくつかあると聞きました。
そうですね、御子を討ち取ればリーク帝国の御代が途絶えますから。
「オギャアー‼‼」
これまた大きな声で産声を響かせてくれました。
私とフェロー様とダガーズ様(任務中でしたので特別)は、産まれたばかりの御子に会う事が出来ました。
「おお、この元気な子が私とシーラの子か!」
「陛下、とても元気な男の子です」
「そうかそうか。見てみろダガーズ。お前の甥だ。剣術指南を頼んだぞ!」
「畏れ多くも承りました。コリーナ、俺には猿にしか見えないのだが?」
「ふふふ、それは言わないでおきましょう?」
ダガーズ様とはこっそりと会話をした。
フェロー様は「このアングルが男前だな、いや、このアングルの方が…」などと格闘していましたが、シーラ様に呆れられ、その行動はおやめになりました。
「さあさあ、授乳です。皆様お部屋から一時退散してくださいな」
との産婆さんからのお言葉に一番名残惜しそうだったのはフェロー様。
ダガーズ様は「甥かぁ」と言っていた。
私はお産の経験がないのでわかりませんが、シーラ様はお疲れなんでしょう?さっきのように押し掛け続けるのもなんなので、私はしばらくお会いするのを控えていました。
その代わりといってはなのですが、手紙を書きました。
フェロー様は精力的に公務を片付け、シーラ様と御子様のところへ通っていらっしゃると聞きました。
フェロー様の周りの文官さんたちが大助かりのようです。
うーん、感慨深いですね。あのシーラ様がお母様…。




