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第八話

そして帰り道、いつものように徊空さんと一緒に帰ろうかなと思いきや冬眞に引っ張られて、「さっさと帰んぞ」と告げられ、学校から去った。


徊空さんは少し不安そうな顔をしていたが冬眞の進むスピードが速すぎてすぐに顔が見えなくなってしまう。



「なぁ、徊空さんと何話してたん?」


『えっ……』



副音声がないという事はこれが本心で聞きたがっている事だろう。


急に好感度メーターの話をしたり副音声の話をしたら信じてもらえないどころか最悪、妄言を吐いている人間として忌避される事間違い無しだろう。


アタシが渋っているのを見て、「言えん事なんか?」と苛々したように呟いていた。



『いや……。あのさ。この学校、図書委員がアタシと徊空さん以外全員幽霊部員だから大変だね〜的な会話しかしてないよ』


「ふぅん、ま、そういう事にしといたるわ。ただ、徊空さんに手出したら分かってんな?泣かせたりなんかしたら許さへんから」(徊空さんと付き合ってる……?嫌や嫌や嫌や……。徊空さんに聞いて本当か嘘か聞かんと……)



だから副音声ッ!!!


それと徊空さんに二次災害が行こうとしてるので家に帰ったら即徊空さんに連絡入れて誤魔化してもらうように言わないと。


地獄みたいな冬眞との下校を終え、これが明日の朝もあるのかと思うと軽く気が遠くなる。


会話もスムーズに行かないし、何なら副音声の方がよく喋るから偶にそっちに気が向いて話しかけてしまいそうだし神経を使う。


そんな風に思ってたら、「なぁ」と声をかけられる。



「俺、今日頑張ったんやけど。6時間、それに図書室の待ち時間も合わせて」


『え?』


「っ……だから頑張ってんてば!」(昼休みに褒めてもらったのが凄い嬉しかったからもっかい褒めて欲しい。翠に褒められる為ならば幾らでも頑張るから)



副音声、成程。


つまりやはり昼休みの時は怒っている訳ではなく恥ずかしがっていたという訳だ。


アタシの中のイマジナリーロボロが、「6時間頑張るのは当たり前やろ……」と溜息を吐きながらツッコミを入れてるのだがそんな空想を振り払い、冬眞の事を褒める。



『冬眞、偉い、偉い。また明日も頑張れる?』


「子供扱いすんな」(え、ほんまに褒めてくれるん?好き絶対明日も6時間頑張って褒めてもらう。……嬉しい、嬉しい……もうこれは両思いでは??)



副音声ッ!!


飛躍しすぎだ副音声ッ!!!

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