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この異世界の果てまで。  作者: 井ノ中かえる
第一章 燐火と旅商人
5/10

とある旅商人の日誌・1

ここまでの話に出てきた人・動植物に対する補足や詳細説明になります。

その為、本文を読んでだ後にお読みいただけますと幸いです。

(名も無き旅商人により記録された、異世界の生活、また原生生物に関する観察、沈思黙考の日誌)

私がこの"元いた"世界と異なる「異世界」で目覚めてからこれまでに目にした物をこの日誌に示す。この世界は神秘的かつ驚異的で、これまで私が見てきた物とは似ているようで何処か違う。それは時に魔法の様に美しく、またある時は大地の様に恐ろしい。


『人種・種族』

この世界には様々な種族が存在する。それは現実世界とは比べられないくらい多く、まだ全ての種族には会えていない。彼らは種族ごとに様々な風貌をしており、(個人差はあるが)それぞれに得手・不得手を持っている。例えば、砂漠を故郷に持つ「アクバル」と呼ばれる種族は、褐色の肌と黒い髪を持つ。

男女問わず武勇に優れるものが多く、よく王国の護衛や傭兵として見かけることが多い。


他にも猫型の「キットゥ」や猪のような見た目の「ズワイン」など獣人のような姿をした種族もいるが、見た目以外は我々と変わらない。彼らは一部地域でこそ差別されるが、まぁ、それは現実世界のそれと同じである。


―なお、私はなんの特色も持たない人類であるが、この世界の出身ではないので、現在確認できる限り「1人だけの種族」という事になるだろう。



『紅鱗トカゲ』

その名の通り、頭部から前脚までを赤く綺麗な鱗に覆われた、少々大型のトカゲである。

この手の種としては珍しく基本的に集団で行動する。性格は比較的に穏やかであるが、ナワバリ意識が強く自分らのテリトリーに余所者が入ると集団で攻撃を仕掛けてくる。


季節が寒気に入る直前、彼らは独特の行動をみせる。岩肌や仲間に体を擦り付けその鮮やかな鱗を剥ぎ落とすのだ。彼らは寒気になると狭い洞窟の中で身を寄せ合い繁殖を行う。先ほどの行動は、その際に仲間や、生まれてくるまだ鱗の柔らかい子供を傷つけないようにする為の行動であり、彼らの圧倒的仲間意識を知ることができる。


また、彼らの薄く鋭い陶器のような鱗は、加工しやすく、色合いも鮮やかである為、貴族の装飾品や置物などによく使われる。反面、強固性にはあまり期待はできず、鎧など武具に用いられることはお勧めできない。



『幻影の花』

「トレゼ」というその花は、花粉に強い幻覚効果を持つ。

色も毒々しく、醜い見た目をしているが、その花粉を空中に散布することで、自らを非常に美しい、魅力的な花だと他者を惑わすことができる。この花粉は人間にも影響を与えるが、あくまで目的は生殖範囲を広げる事であり、主に媒体となる鳥を自分の懐に誘い込む為の手段である。


また錬金術師の間でこの花の花粉は大変重宝されており、他人に幻覚を見せる為の薬の調合に使われる。

この薬は主に医療に使われることが多く、手術中の患者の負担を減らす為であったり、時には死にゆく者に最後の幸せを見せるために用いられる。

しかしながら、それらの用途を外れた犯罪行為にも使われることもあり、所持自体が厳罰対象とされている地域も存在する。

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