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魔弾のスナイパーは、敵の射程圏外から無双する。  作者: 幸一
■冒険者の集まる村カルディラ
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【レベル2】

 狭い個室に倒された俺は、判定魔法を使う冒険者のレム・クローバと向き合って座る。

 レムはイスラム教徒のようにニカブで顔を隠しており、一見すると占い師のようだった。

 そして水晶球を取り出した彼女は、そこに俺のステイタスを映し出すと言うから、ますます占い師に見える。


「なんかドキドキしますね」

「なんでペルカが、ドキドキするんだよ」


 本来なら判定魔法を使うレムと二人きりで、魔力判定を行うらしいのだが、水晶に映し出さる言語が読めない俺のために、ペルカの同席が許可された。


「冒険者登録に必要なレベルは15、ススムさんの魔力が基準値に満たないとき、レベル15以上の冒険者と模擬戦を行ってもらいますが、それで良いですか?」

「問題ない」


 レムが呪文を唱えると、浮かび上がった文字をペルカが読み上げた。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東堂進(Lv2)

称号:なし

身体能力:肉体Lv1/五感Lv1

取得魔法:なし

固有能力:鷹の目(ホークアイ)Lv0

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 俺はレベル2。

 つまり当たり前と言えば当たり前で、俺の肉体と五感は、一般人の領域を超えていないのである。


「でもススゥムの肉体と五感は、ゴブリンを倒したことで、成人男性の能力限界に達しているのです。村人の肉体と五感が同じレベル1でも、能力限界値に達しているススゥムには劣ります」

「しかし冒険者ではない村人と、俺のレベルは同じなんだろう?」

「実力は天と地ほど違いますが、レベルは同じですね」


 もっとも身体能力レベル2の俺が、身体能力を強化しているレベル45のザンザを捻じ伏せられるのだから、実戦ではレベルより戦闘センスが物を言うのが明らかだ。

 とはいえ外国人傭兵部隊で2年以上、戦闘訓練や戦場で戦ってきた俺がレベル2の評価では、低すぎる気がする。

 ペルカは、魔力を使わなければ自力で能力限Lv1を超えられないと、慰めるように言うのだが、ではゴブリンに陵辱されかけた酒場のマスコットガールの評価(レベル)はどれほどのものか。


「でもススゥムには固有能力(ユニークスキル)があるし、凄いじゃないですか。固有能力があるなんて、滅多にないことなのです」

「鷹の目は、どんなスキルなんだよ」

「知りません」

「知らんのかい」


 俺に固有能力があっても、レベル0で発動すらしてないから、全く凄くないではないか。


「万能翻訳魔法と判定魔法を覚えれば、水晶を使わなくても他人の情報(スキル)が見れるのか?」


 俺は、判定魔法を使っているレムに問い掛けた。

 彼女が小さく頷いたので、敵に対峙したとき、能力を見破るのに有効な魔法であれば、ぜひ判定魔法も取得したいと思った。


「ところでススムさんは、模擬戦に挑まれますか?」

「俺は先程、レベル45のザンザを捻じ伏せた。ザンザより格下の冒険者と戦う意味があるのか」

「ザンザさんは、ススムさんとの戦闘で能力(スキル)を発揮していなかったのでしょう。魔力による身体能力の向上は、万能翻訳魔法のように永続していません」

「そういうことか……ザンザは、格下の俺に手加減していたのか」


 どおりでレベル2の俺が、レベル差のあるザンザをあっさり制圧できたわけだ。


「たぶんザンザさんは、ススムさんが能力を使わなかったので、自分も能力を使わなかったのでしょう。ビレッジガーディアンの彼は、正々堂々とした戦いを好む冒険者です」


 ザンザの見掛けはいかついが、じつは村人からの信任が厚くて良い奴かもしれない。

 レムの言葉からは、彼の人柄が窺い知れた。


「となるとレベル15以上の冒険者が本気になれば、レベル2の俺なんかで勝てるのだろうか?」


 ペルカは、俺が倒したゴブリンの強さに個体差があっても、レベル20程度の冒険者と同等だと言うのだから、それを信じて模擬戦に挑むことにした。

東堂進が無双するのは、ちょい後になるので、

ブクマして待っててください!

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