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【レベル17】

 銃口を岩場に向けた俺は、スナイパーライフルに取付けた高倍率スコープ(テレコスピックサイト)で、岩場の頂上に現れた赤い肌の悪魔を確認すると、悪魔の頭部を迷わず狙撃した。


 ドシューッ!


 2発目の銃声、ヤハエは手綱を握りしめたまま拳で耳を塞いでいる。

 銃声はマズルブレーキで幾分抑えられているものの、目の前で50口径のライフル弾を放たれたのだから、怯んでも仕方がない。


「ヤハエ、ゴブリンより一回り大きく、豚のような鼻をした魔物は何だ?」


 ヤハエは『オークです』と、火を吹いたスナイパーライフルを凝視しながら答えた。

 ツノの生えた赤い肌の魔族を狙撃すれば、奴の周囲に弓を担いだ豚男(オーク)の集団が集まっている。

 さながら指揮官を失って、どうして良いのか解らず狼狽える雑兵のようだ。


「ススムさん、その突火槍で何をしているのですか?」


 突火槍とは、槍の穂先に付けた火薬を爆発させて、敵にダメージを与える火槍(かそう)のことだ。

 ヤハエは、火を吹いたスナイパーライフルの銃口を見て、突火槍の類だと勘違いしている。


「敵の指揮官を狙撃した」

「え?」

「悪魔は、俺たちを岩場に誘い込むつもりだったのだろう」

「どうして解るのですか?」

「だから今、サンドキングを岩山から操っていた悪魔を狙撃したと言っただろう」

「だって野営地の岩場までは、まだ1km以上も離れてますよ?」


 俺は『()()()()()は、遠くの敵を攻撃できる』と、スナイパーライフルの高倍率スコープを撫でた。

 エクスフィアに銃器を蔓延らせたくない俺にとっては、ヤハエが狙撃銃を突火槍と勘違いしているなら、誤解させておいた方が都合が良い。


「ススムさんが突火槍で遠くの敵を攻撃できるのは、固有能力『鷹の目(ホークアイ)』の効果なのですか?」

「ヤハエは、判定魔法が使えるのか」

「ええ、目利きの商人には、判定魔法や鑑定眼が必須スキルです」


 俺は『では、そんなところだ』と、固有能力の効果が突火槍の遠距離攻撃を可能にしていると嘯いた。


「オークを蹴散らすなら、敵の足並みが乱れている今がチャンスだ」

「岩山には、オークが待ち伏せているのですか?」

「目視できるオークは20匹、弓を担いでいるので近接戦闘に持ち込めば勝算がある」


 サンドキングを操っていたのが、俺の狙撃した悪魔ならば、オークたちの慌てようを見れば、奴が魔王軍の指揮官で間違いないだろう。

 ヤハエには、ここから攻撃するのかと聞かれたが、接敵して近接戦闘で倒すと答えた。

 俺はヤハエから保護色のローブマントを借りると、コンバットナイフとベレッタ92だけを携帯して、単独でオークに特攻をかける。

 冒険者ではないヤハエたちは、先程の戦闘でも冷静さに欠けていた。

 敵と対峙したとき、足手まといになる可能性が高い。


「20匹以上のオークと、一人で戦うのですか?」

「確認できるオークの装備は、長距離戦闘用の弓だけだ。それに連中のレベルを確認したが、Lv20〜30なら問題ない」

「ススムさんは現在Lv12、楽観できるレベル差ではありません」


 俺は、サンドキング討伐で魔力吸収しており、身体能力をレベルアップできる。

 ヤハエに、そのことを伝えると、オークと近接戦闘するなら、爪や牙の攻撃に耐えられるように全身硬化をレベルアップするようにアドバイスされた。

 全身硬化は、剣や弓の刺突攻撃から身を護るので、レベルMAXまでレベルアップするのが冒険者の基本らしい。


 肉体Lv7→基礎Lv1 −腕力Lv0

           −脚力Lv1

           −素早さLv0

           −全身硬化Lv5


 全身硬化はレベルMAXが基本と言うだけあって、スキアップに必要な魔力も僅かで、レベル5までしか上がらなかった。


「他に役立つスキルはあるか?」

「永続魔法【痛み緩和】が取得できれば、多少の外傷に怯みません。ただ痛み緩和には、治癒効果がないので気を付けてください」

「わかった」

「身体能力は、可能な限りスキルアップした方が良いと思うのですが……」

「必要な能力は、現場でスキルアップするから問題ない」

 

五感Lv9→基礎Lv1  −視覚Lv0

           −聴覚Lv0

           −嗅覚Lv0

           −味覚Lv0

           −触覚Lv3 −痛覚Lv5

※永続魔法【痛み緩和Lv1】取得条件クリア


 永続魔法の痛み緩和を取得するために、痛覚レベルを5までアップすると、取得魔法の項目に【痛み緩和】が現れた。


「痛み緩和Lv1を取得した瞬間、痛覚Lv0にレベルがリセットされる。そして永続魔法痛み緩和Lv2にレベルアップするには、痛覚Lv10が必要になるのか」


 つまり痛覚のスキルは、永続魔法【痛み緩和Lv】をレベルアップするための項目なのだろう。

 魔法の取得やレベルアップには、やはり特定の条件が必要らしい。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東堂進(Lv17)

称号:エクスフィアの英雄殺し

身体能力:肉体Lv7(基礎Lv1/脚力Lv1/全身硬化Lv5MAX)/五感Lv4(基礎Lv1/触覚Lv3/痛覚Lv-)※痛覚Lv10で【痛み緩和Lv2】永続魔法の能力限界取得可能

取得魔法:万能翻訳魔法Lv2MAX※永続/痛み緩和Lv1※永続/判定魔法Lv1

固有能力:鷹の目Lv2

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 サンドキング討伐と指揮官である魔族の狙撃により得た魔力には、まだまだ余裕があるものの、事態が急を要していれば、まずは肉体硬化の身体能力と、痛み緩和の永続魔法が取得できれば良い。

 身体能力や永続しない魔法は、任意にレベルダウンできるが、一度割り振った魔力は再配分できない。

 残りの魔力は慎重を期して、クリルから購入した『逆引き辞典』を確認してから考える。


「岩場の敵を排除して、安全が確保できたらコイツで連絡する」

「これは?」


 俺は、ヤハエにトランシーバーの使い方を説明すると、砂漠色のローブマントを羽織り、オークが待ち構える岩場に向かって歩き出した。

 そして俺は岩場を占拠しているオークたちとの戦闘で、固有能力【鷹の目】の真価を知ることになる。

次回は、オークを相手に無双するよ!


(^∇^)ノ♪

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