コンビニのおでん
夏よりも圧倒的な冬推し。
毎年毎年こんなに寒かったか?と同じような会話を続け内容のない今年も寒いですね今年は冷えますよと程なくつまらない文句を並べるが冬にコンビニのおでんを友人と食べる空間はどことなく気持ちがよくなんとも言えない気持ちになる。決しておでんが好きな訳ではなく、家の晩御飯がおでんだった時の虚無感のような期待を裏切られる感じは好まないが、はんぺんはいつまで経っても好きになれないしカラシをつけて食べるほど通でもない。どちらかと言えば柚子胡椒を大根か厚揚げに付ける方が好きだ。柚子胡椒を付けるならばそれはもう通であるという人が一定数居るのであればもう私は通なのかもしれない。しかしこの通であるというのは誰がなんの基準で決めているのか通という言い方を変えるならば大人ぶっているカッコつけているというのが正しいのかとも思う。喫煙者なら共感出来るかと問いたいが冬の寒空のコンビニで友人と目的もなくタバコに火をつける瞬間が鮮明に脳に焼き付いており私の場合それが時々たまにの割合でおでんがセットだったというだけなんだが、そしてこんなことを語るのにまだ充分な歳をとっていないのだが、そんな一時が意外と幸せなのかなとも思う。美味しいものを食べている時が幸せという人も居れば、好きな人と過ごしている時が幸せだという人も居るだろう。ここで私は限定する恋人という存在が居ないからそこに対して全くの共感を得ないことを述べておく。その中でも私は綺麗事のような小さな幸せを思い出しそんな時期が来たと思い馳せる時間がまあまあ好きな方ではある。その中というのは前半に述べたおでん話の事になるが。人それぞれの価値観と人それぞれの捉え方で貴方にとってはとても小さな出来事かもしれないけれど私にとってそれはとても大きな出来事で時間が経つにつれさらに自分で美化し良い物へ変化していくのもまた感慨深くもし貴方も同じような気持ちになったことがあるのなら似たもの同士または瓜二つそこまでは言わないがやはり似たもの同士だと思いたい。