6.ノリノリ
「コ、コバ。気にするな、あやつらはお前の実力を知らな・・」
「おいお前ら!これが見えるか?まずはお前の・・・」
コバの空の右手から薄暗く緑色に光る玉が現れる。
「お前の魂だ、そしてお前のも、」
緑の玉は更に増え2つになる。
「俺が本気になればお前らの魂を抜き出すのも容易い、消すこともな」
2つに増えた玉が1つに、3つ4つに増えていく。
魂を取られたと思ったゴブリンは怯えながらコバを見ている。
「魔王様、魂をそちらに」
コバが持つ玉が1つ減る、魔王の手には緑の玉が現れた。
「ふははは、コバよ、さすが手早いな、私も」
魔王の手にある球が3つ4つと増える。
「さぁて、この玉を強く握りしめて見るかな」
よだれを垂らしながらコバは玉を握りしめる。目線の先のゴブリンが苦しみだす。
「ぐぇえ・・・言われてみると胸のあたりが苦しく・・・」
「ぎゃっははは!この俺が魔王軍に加わったからにはお前らの命はないと思え!お前たちは俺が守ってやる!!げへへへへ!」
魔王(なにこの人怖い、言っていることも無茶苦茶でござる)
ゴブリンが1匹2匹と床に倒れる、小林はあたりを走り回って笑っている。
「あぁ。コバ様素敵」
ロッドは目を輝かせてコバを見つめている。
「えっロッド、大丈夫でござるか?」
モンスター達から大きな驚きの声が漏れる。
「魔法詠唱のスピード、伝説に近い上位魔法、魂を抜き取る魔法を扱えるとは・・・」
「あの目を見ろ、血走った虚ろな目・・・殺すことに躊躇しないやつの目だ!」
怯えるモンスターを見渡したあと小林が魔王のほうを見る。
「コバ、落ち着くのだ。召喚されて興奮状態なのもわかるが・・・」
魔王の手に赤い玉が現れる。
「そ・・・それは・・・俺の魂か」
「ふはは、コバよ。もし貴様が私逆らおうものなら、貴様の魂。私がいただくだけだ。魔王軍に従え、コバよ」
コバは魔王のほうに手をやるが、手は空振りしている。
「やつからは魂を奪えない・・・だと・・・わかった、協力はしよう。ただし、いつも背中に気を付けることだな」
「ふはは、楽しみだ。余のために尽くしてもらうぞ」
倒れていたゴブリンたちが起き上がり、すぐさま拍手が鳴り響く。
周りのモンスターたちも合わせて手をたたき、場内は異様な熱気に包まれた。
「魔王様万歳!コバ様万歳!魔王軍万歳!」
日本で一番有名な手品メーカー、TENYOの始まりとされているのが手作りの四つ球です。
木の物、プラスチックの物、ゴム製の物、最近はシリコン製のものまであります。
実演販売を見て家に帰って開けてショック、タンスの肥やしになるマジックで上位に入ります。