44.茶番
「コバ殿!予定より早いがはじめようではないか!」
鼻息荒くダイルが扉の前に鎮座する。
「ダイル、まつでござるよー。まだレイディが揃っていないでござるよ」
「む??ここに来るまでにすれ違わなかったが・・・いったいどこにいったんだ?」
ーーーーコバが転送された魔法陣の部屋
「私よ、入るわねぇ」
コバの手品道具が置かれた物置部屋。その部屋の隅を3か所触るレイディ。
「ロッド?ご飯は食べたかしらぁ?今日のコバちゃんの話は面白そうだから杖から見るんじゃなくて直接見に来たらぁ?」
「レイディいじわる、ご飯私たち必要ないのに」
「あの実だって液体じゃないんだし一応ご飯よぉ?で、来るの?」
「間近で絵日記書けるので良さそうなのだなぁ・・・」
「じゃ、決まりね。杖は持ってきたからいつものとこに置いといて、扉閉めるの忘れずにね~」
「もう!そんな子供じゃないです!・・・・行ってくるね、ケイ!」
「・・・・・ああ、俺もそろそろ隠し口からあっちに戻るよ」
ーーーーー
「ぐはははは!ぬはははは!!グロッキーぃいい!!ご飯だあああ!!」
「おい、ダイル、でしゅましゅはやめろと言ったが、そのトーンだと虐待してるみたいだぜ」
ダイルの手元で高速で動くグロッキー。ご飯を食べている動きは穴を開ける工具のような動きに見える。
「機械的な動きすぎては駄目だぜ。武士とかがよく剣と私は一心同体なんて言うけれど、時には一心違体も手品には大事なんだよ」
「違体?同じじゃないってことでござるか」
「今現在進行で心が思っている行動と違う行動を体が自然に・・・別の人間みたいに動かないと自然じゃないわけ、プロでもできている人は限られてるよ、おっ幼女ロッドとレイディが来た」
「幼女じゃありませんコバ様、美女にしてください」
「あぁん?美女なんてあと10年くらい経ってから言えこら!」
コバを前にうつ向くロッド。目には涙が溢れている。
「あー!コバ殿ぉ!いーっけないんだいけないんだ!先生にいっちゃうでござる」
「先生俺だけどな」
「・・・いや、その悪かったよ。うん、今でも美女だ、うん」
「どうしたああ!ロッド!!涙は筋肉から流れてこそ汗になるのだぞ!」
「ごめんちょっと黙っててくれますか」
「・・・・ふふふ。困っているコバ様の顔!いただきですわ!!」
絵日記を書き出すロッド。小林は目の前で悔しそうな顔をしている。
小林の横にロッドが近づき、小さな声で囁く。
「ね?男を騙すのはオトナの女の秘訣なのよん」
「お前元男じゃねえか」
「コバ殿早く!今日の内容はなんでござるか!」
「へいへい・・・ロッドもご機嫌になったし教室始めるぜ」
「今日は・・・ミスディレクションだ!」




