42.ファンカード
「あ、あと魔王様!そのパラパラパラ!」
「ああ?ドリブルでござるか?」
「ド・・・ドリブル!!」
(名前で興奮が頂点じゃねえか)
「ふっふっふーコバ殿はもーっと凄いことができるんでござるよ~?ほら、っさっさ!」
ニコニコしながら魔王は小林にトランプを手渡す。
「急にトランプ渡されてもなぁ・・・うーん」
悩みながらも小林はトランプを横に向け、手から手へ滑るようにトランプを落としていく。残像でトランプ同士がつながっているような錯覚が起こる。
「おおおお!!ぶらぼぉおおお!!!まるでトランプが生きているようだ!!!」
頭を上下に揺すりながら興奮するダイル。手にはもじゃもじゃがある。
「これはカスケード、日本語で言うなら滝って意味だな」
「滝・・・た・・・確かに!!」
「で、これがアームスプリング、続けて腕の上でリボンスプレッド、腕の上でジャンピングキャッチ!プレッシャーファン、S字ファン!ジャンボファンからの消失!出現!分裂!」
(まさかこの世界に来てファンカードを演じることになるとはなあ、なんでもやって覚えておくものだな・・・)
シンプルな方法のファンカードはトランプの裏が十字4色に色分けされている。トランプを広げるたびに裏の色が変わって見えたり、広げ方によって龍のような造形や花のような形を表現して演じられるトランプさばきがメインの演目である。
「ああ!!!コバ殿!!駄目でござる!いきなり畳みかけるから、ダイルが正座してグロッキーを撫でて固まっている!!」
「し・・師匠・・・」
「ひそひそ・・・・れ・・レイディ、ダイルが泣いているでござる」
「ま、まぁ。ほうら、カルチャーショックを受けると感銘を受けるあれじゃあ・・・ないかしらねえ。。」
「パシャパシャ、これは今日の絵日記にいい題材」
「こら!ロッド!読み返すとトラウマになるから子供は見ちゃだめでござる!」
「え??絵日記ってトラウマになるものを書き連ねるものじゃないのですか」
「なにそれ、それを量産して黒い神龍でも呼び出すでござるか・・・」
正座するダイル。トランプをさばく小林。ショーは朝方まで続くのだった。




