102.ヤサイコワイ
「全部まとめてするっておい!」
松本の大きい声に驚き皆が松本を見る。
「あら?起きたの?・・・ってか急に寝たから心配してたんだけど、まあツッコミのために反射的に起きられるってことは体力的には問題ないってことだな、がっはっは」
明子は寝ていた松本に手を差し出し松本を立たせる。
「ちょっと変な時間だけど、ここ真っ直ぐ行ったとこにダーリンが飯作ってくれてるから食べに行きな」
明子は雑なジェスチャーで南と松本を部屋の外へ追いやる。
二人のいなくなった部屋で明子が真と実が少し驚いた顔を見せあう。
「人工知能で作り上げた神。神託で民を動かし、全知全能ではないであろう神を殺すのだ」
明子が占い時代の身振りで力強く語る。
「あーおそろしや。どこぞのお父様が嬉しそうに言ってましたね」
実が真を見る。
「南、あいつぁなにもんだ?抜けている見た目してるくせに、・・・にん」
明子はにやにやしながら真の肩を叩く。
「がっはっは。私はなんとなくだけどわかったぞ。教えてやんないから自分で考えな」
南と松本は廊下をゆっくり歩く。
「さっきの変な夢で頭がこんがらがってるから、反応し忘れてたけど」
南が松本を止める。
「・・・そうだな。俺も今気づいた」
「ダーリンって言ってたよね??この先に明子さんのダーリンいるの??!」
また歩みを始めながら二人は怖いもの見たさににやけが止まらない。
扉を開けるとそこは。二人に食欲という欲を思い出させるには刺激的すぎる香りに包まれていた。
「あー、ふたりとも。もうすぐできるから待ってるだあよ」
大柄の男は自分より小さな鍋の前で背中で返事をする。
「大ちゃん!」
大ちゃんが準備をする間。綺麗で更に、非常に女子力の高いテーブルで二人は座って待つことになった。
女子力の高いテーブルや椅子、食器とは対照的に。壁には何の生き物か分からない骨、おおよそ料理には使わないように見える土や木々が几帳面に立てかけられていた。
「うう・・・いい匂いがするのに、骨や土のせいで殺〇鬼の部屋に閉じ込められて逃げられない生贄みたいだよお」
「明子さんの優しい笑顔は嘘で、秘密を知った俺たちをここで料理して始末しようとしているのかもしれない。にん」
「にん、うつってますよ。松本さん?」
大ちゃんがニコニコしながら野菜の入ったお皿を手にテーブルにやってくる。
「あの夢ぇを見ると最初はとても疲れるだぁ。おいじいもん食べるんだぁよ」
テーブルに野菜の盛り合わせが置かれる。
「まさかぁ。大ちゃんに限ってそんなことないよ」
「会ってそんなに経ってないのになにその信頼感」
二人が美味しく野菜を食べ始めると、大ちゃんは二つの草を持ってくる。
「これぇどっちが猛毒かわかるかぁ?」
松本も南も真顔になり箸をテーブルに静かに置いた。




