第5話 ステータス
お気に入り登録してくださった方、ありがとうございます!
何か一つの事に特化するか、それともバランス良くいくか。
どの分野でも悩んでしまうことですな。
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「では、アバターネームを記入してください。」
サリーさんの落ち着いたアルト声に促され、俺は目の前のキーボードに自身の名を入力。
「アバターネーム《サクラ》、でよろしいですか?」
まあ、リアルネームと同じな方が俺が混乱しなくてすむしな。
本当は個人情報漏洩の危険があるからとかで、リアルネームとは違う名前をアバターにはつけるのが推奨されてるが、まあいいだろう。
またまた、目の前にでてきた選択肢のYESをタッチ。
む。
今度はちょっとしゃべってみようかな。
「アバターネーム《サクラ》、登録しました。次に、アバター外見をカスタマイズなさりますか?」
アバターはフィッティングによってリアルの体格や顔をベースにはしているが、髪や目、肌の色を変えるのはもちろん、簡単な整形も可能だ。
んー。
まあ整形はするつもりないし、整形以外だったらゲーム途中でも変更可能だ。
カスタマイズは必要ないかな。
では返事はNOだ。
よし、ここは俺のクールさをサリーさんにアピールできるように短くシンプルな返答でいこう。
いくぞ…
「ひっ、必要ありましぇんっ!!」
…………
は、はずかしいぃぃぃいっ。
ありましぇんってなんだ、ありましぇんって。
緊張しすぎだろ、俺。
うぅ、しかもサリーさんの前だし……。
そんな俺に構わずサリーさんは何事も無かったかのように、笑顔で続けた。
「了解しました。ではBPの配分に移ります。これからのゲームプレイに大きな影響を及ぼしますので慎重にお考えください。」
女神がおる。
女神がおるぞ。
あの醜態を笑って流してくれるとは。
サリーたんマジ天使。
ん?
BPとな。
どうやら俺がサリーさんをあがめてる間に出現したらしく、目の前にはいつの間にか表のようなものが表示されていた。
残りポイント:200P
【筋力】:0P
【生命力】:0P
【知力】:0P
【精神力】:0P
【敏捷】:0P
【器用さ】:0P
【魅力】:0P
ふむ。
ちょ、一旦電話しよう。
「《Liberty Online》スリープ。」
俺の言葉と意志に反応して、俺は再びグレーのゴリラ空間へ。
「コール、一樹。」
そう、この《ドリメイ》は電話機能もある。
正確には《ドリメイ》自体に通信機能があるのではなく、俺のスマホと同期させてそっちの通信機能を使っている。
しばらく《呼び出し中》の文字が空間を漂うのを眺めていると、一樹がでた。
「はい、一樹っすー。さくらか?どした。」
「あのさ、今キャラメイクやってんだけど、BPって何。あと、テイムに必要な項目ってどれ?」
「お、さっそく始めたか。いいぞ。説明してやる。」
ふむふむ。
おっけー。
一樹の説明を一通り聞くと、礼をいい、通話を切った。
やー。
あいつ便利だな。
また使おう。
一樹によると
BPとは、それを割り振ることで自身のステータスを決定するポイントのようだ。
例えば【筋力】に10ポイント割り振れば、俺の筋力は10になる。
普通はゲーム中のレベルアップ毎に10ポイントずつ貰えるものだそうだ。
で、キャラメイクのときに200ポイント貰って、キャラの方向付けを行うらしい。
ちなみに、各ステータスの0ポイント時がだいたいリアルの自分と同じぐらいのもので、別にポイントが0だからといってそのステータスが無い、と言うわけではない。
そして俺の目指すプレイスタイルである《テイマー》に必須なのは、【魅力】のみだそうだ。
うし、じゃあ割り振るかね。
俺はスリープ状態になっていた《LO》を呼び出すと、ステータスを割り振った。
残りポイント:0P
【筋力】:0P
【生命力】:0P
【知力】:0P
【精神力】:0P
【敏捷】:0P
【器用さ】:0P
【魅力】:200P
まあ、こうなるよね。
どんなことでも構いませんので、感想をいただけたらとても嬉しいです。