表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/14

明るい社会と良き人間関係の基本は挨拶です

相変わらず私は毎日自由時間が続いた。

自由とは言ったものの、見張られている可能性とか十分あるので怪しい行動はしないようにしているつもりだ。大好物のファンタジー小説とか読みあさってると監視役の人がいる場合ってけっこうあるもんなぁ。果たしてその知識が役に立つのかどうかは知らないけど。


とりあえず今の私、リアルファンタジー小説中だよね!


…寂しいヤツなんて言わないでください。中二病なんて言わないでください。自覚してますので。

何はともあれ、妙な疑いを持たれちゃたまったもんじゃありません!由梨乃ちゃんたちと一緒に案内された場所以外は近づかないようにしているし、早朝や夕食後などの人通りの少ない時間帯は部屋から出ないようにしている。


それにしてもパソコンも、読解可能な本も、お金もない状況で毎日自由時間というのはやることがない。旅に必要なものや人などは既に揃っているし、私に今さら求められていることはないと、メイドさんに言われたので尚更だ。役立たずに教えることなんて無いって言われている気がするけれど(被害妄想)、無理な要求をされても困るし、特にないなら私としても気楽なのは事実。


と、いうことで私の一日の大半は一人で絵本を眺めるか、敷地内のお散歩、後は食事と睡眠、お風呂くらいだ。幸いなことに本は絵本だけでもいくらでも所蔵されているのと、敷地が広いのと、元から持っている妄想癖で何とか暇をごまかしている。


ちなみに、文字はいくら睨めっこを続けてもやっぱり読解することはできそうになかったので早々と諦めて、やっぱり純粋に絵だけを楽しむことにした。イライラするのは身体にも精神衛生上にもよろしくないもの。諦めが早いのが私の短所であり長所でもあるのだ。←



*****



さて、そんなお気楽な私は今、中庭で先日お知り合いになった騎士さん2人と一緒にいる。

“第○騎士団副団長補佐さん”では長いので心の中で“第○騎士さん”と呼ぶことにした。


部屋に戻ろうと歩いているときに稽古後の2人と会ったのだ。会話が苦手と言えど、何日も人と話すことがないのはやっぱり寂しくて人恋しくなるもので、この際疑問をふっかけて構ってもらおうという私の秘かな要望にわざわざつきあってもらっている。…一応、『お時間大丈夫ですか?』って聞きましたよ?


今のところ、この2人と学者さんの3人は私を無視するような雰囲気はなさそうだったので、お城内ですれ違ったときには挨拶くらいするようになった。明るい社会と良き人間関係の基本は挨拶ですよね。うんうん。


ちなみに、会ったときは同じ魔王討伐チームである第二騎士団の副団長補佐さんもいらっしゃったんだけど、2人から紹介された直後にどこかへ行かれました。私を見て眉間に深い皺がよったのはのは気のせいだと思いたい。


稽古後の2人は、汗ばんでいるにもかかわらず爽やか。イケメン効果すごい。


そうそう、討伐チームの騎士さん方がなぜみんな“副団長補佐”なのかというと、討伐の旅に出ている間も当然騎士団の機能を停止させるわけにはいかず、団長や副団長がいなければ大勢いる騎士団の統制に影響があるし、かといって魔王との対決に行くには当然、腕の立つ者じゃなければ務まらないだろう…ということで第一~第四騎士団の副団長補佐が討伐チームに組まれたためらしいですよ。今聞きました。


やっぱりこいつ等エリートか…。


卑屈になり、つい毒舌を頭の中で吐きつつ、彼らの腰に差してある2本の剣の柄に視線を移す。


この世界の騎士は皆、2本の剣を携えている。二刀流が主流らしい。


「君に振るう気はないけど…剣が怖いかい?」


私の視線に気がついたらしい第一騎士さんが琥珀色の瞳を向けた。鋭いな。


第一騎士さんは気さくなんだけど、私が美形に慣れていないせいか、それとも本人の風格や力強い印象のせいか、真っ直ぐ見られるとちょっと気後れするというか畏怖するというか…。


『いえ、…いや、振るわれたらそりゃ怖いですけどそうじゃなくて、騎士の皆さん2本所持してるんだなって思いまして。』


「あぁ、ユリノも同じようなことを言っていたな。」


第三騎士さんの声は低いけど落ち着いていて心地いい。しかし長い前髪のせいでただでさえわかりにくい表情が、その黒髪で覆われている側に私がいるという位置の関係でよけいにわからない。片目しか出していない状態で、視界が狭くなって戦いに支障はないのだろうか。謎だ。


第三騎士さんは腰から自分の剣を抜く。一つは普通に長い刃がついている。もう一方は…あれれ?


柄の部分しかない。


『え…これ、何か意味があるんですか?』


ちょっと失礼なのは自覚していた。でも地球、しかも武士の歴史を持つ日本人である私がそう思ったのは仕方がないのではないかと思う。

そんな私の失礼を咎めることなく2人は丁寧に説明してくれた。



久しぶりの更新です。理由にしていた国家試験は先月終わったんですが…思うように書けなくてやっぱり亀ペースの更新に(- -;)それでもお気に入りから消さずにいてくださる方々には本当に感謝と謝罪の念でいっぱいです。

更新が遅くても、必ず最後まで話は進めたいと思っていますので、これからも読んでいただけるよう駄文ながらも頑張って綴っていきたいと思います。


これまでの話のタイトルを全部変更したんですが、内容はいっさい変えていません。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ