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【第6章】次に会うのは、デイジーの咲く頃 第8話

(何これ……!? ……あっつ……)


驚くほどの暑さ。横浜もそれなりに暑いけど、なんだろ?質が全然違う。……何だか重たい。ずしんとくる感じ。きっと湿度がもの凄いんだと思う。


(これは……やばいかも)


JR九州線を目印に、わたしはコンコースを進んで行く。おばちゃんの家に辿り着く前に、倒れてしまうんじゃないか?とさえ思った。


『ソニック』

小倉駅から大分駅までを結ぶ、JR九州線の特急列車。わたしは無事に乗り換えをして、席に腰を下ろす。新幹線を博多駅で降りてからソニックに乗ることもできるらしい。


「きっとあんたには無理よ」


お母さんにそう言われた。博多駅から乗ると、どうやら途中で座席をぐるりと逆方向に自分で回転させないといけないらしかった。わたしにはできっこないという理由で、小倉からソニックに乗ることになっていた。


(何よ)


思い出してちょっといらっとする。でも「次は……大分駅……」と車内アナウンスが入った時、わたしの心は踊った。


大分駅で降りて、改札口へと向かう。お母さんからLINEで「春おばちゃん、大分駅まで迎えに来てくれるって」と教えてもらっていたので、久し振りの再開に胸が高鳴る……。「わたし、どんな顔してるんだろ?」と思い、改札に出る前に、トイレの鏡に向かって問いかけた。


「雪乃ちゃーん」

改札口の右側。駅員さんの隣から、懐かしい声が聞こえた。


「あ! 春おばちゃん!」

小走りで改札をくぐり、おばちゃんの元へと向かう。


「ちょっとー、大きくなったわねぇー……」

「えへへ……ほんとだ。おばちゃんと同じくらいになったかも」

「九州。初めて?」

「うん。初めて来た……あっついよ」

「そうねー。体が慣れるまで大変かもね。とりあえず行きましょうか」

駅の構内を歩いて、春おばちゃんの後について行く。


「でも本当、久し振りねぇ……元気だった?」

「まぁ……元気っちゃ元気だけど……疲れる」

「はははっ! そうなんだ」

「笑いごとじゃ無いくらいだよ! もう、キツイもん」


「これだよ」と言って、おばちゃんは車のドアを開けた。


車に乗るのも新鮮。だって向こうで車に乗ることなんて……そんなに無いし。「じゃあ、行くよ」という声に合わせて、わたしはシートベルトを締める。


2泊3日のわたしの旅は、まだまだ始まったばかり――




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