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【第6章】次に会うのは、デイジーの咲く頃 第7話

新大阪到着の車内アナウンスが流れると、スーツ姿のサラリーマン達が一斉に荷物を持って立ち上がる。「これでやっとお弁当食べれるじゃん」とわたしは少しだけ膝を広く座ってみた。


乗った直後にはいつもと違った雰囲気だった車内。窓の外に目を向けると、糸を引くように景色が流れていき、いつも以上の目まいに襲われている。


(せっかく新幹線に乗ったのに……目を開けられないなんてな……)


「逆に今まで以上に気持ち悪いじゃん……」と思いながら、新大阪駅到着までわたしはずっと静かに寝ていた。


(病院……行った方が良いよなぁ……)


目の奥と頭の中心部分がずっと渦を描いてるように回る。日常の動きから少しでも離れた速度で動いていると、より吐き気を催してしまう。


手早くシウマイ弁当を食べたわたしは、新大阪駅を出発すると、再び目を閉じた。


「新幹線は博多行だけど、小倉駅で降りてよ?」

「……小倉駅?」

「そう。博多駅の、1つ手前の駅」

「えぇー……忘れそう」

「あんた高校生でしょ? ……まぁ、降り忘れて博多まで行っちゃっても……別に良いんだけど、今回は小倉で降りる方が便利だから」


家を出る前にお母さんに言われたことを思い出す。


(小倉……小倉……)


目を瞑ったまま心の中で、何度も唱える。


新神戸を通過した辺りから、高いビルが姿をひそめて自然豊かな車窓になり始める。密集することなく建っている建物が視界に入るたびに、わたしはどこか懐かしさを覚え始めていた。


(……)

(……こんなのんびりした感じなんだ)


広島。福山。岡山。名前はもちろん聞いたことがあったけど、全然わたしが住んでいる横浜や東京とは雰囲気が違うことに驚く。


(何これ……良いな……)


目まいも少し落ち着いたような気がした。目的地である小倉駅が近づいてくると、初めて見るかのような自然豊かな景色が広がる。そして長いトンネルへと入っていく……


――間もなく……小倉です――


トンネルの中で流れる、アナウンス。


(あ……着くんだ……)


わたしはちょっと緊張しながら、荷物をまとめた――


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