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【第6章】次に会うのは、デイジーの咲く頃 第6話

「あなたは何も調べない方が良いわよ」

出発する直前まで、お母さんは春おばちゃんの情報を何も教えてくれなかった。


その方が、旅という感じがするでしょと言っていたけど……わたしの中ある情報は、「春おばちゃんは九州にいる」ことくらい。後は何一つ分からない。



「で? どこに行けば良いの? わたし」

出発当日。木曜日の朝。ようやくお母さんに尋ねる許可が下りた。


「大分県にいるよ。春おばちゃん」

「大分県……?」

「そう。大分県。どうせ言っても分からないだろから……」

お母さんは私のスマホに住所を送ってくれた。


「ここ」

「大分県豊後大野市……三重駅……何て読むの? これ」

「みえ。みえ駅」

「……何? 駅に住んでるの? 春おばちゃん」

「あははっ! 駅まで迎えに来てくれるって。バカなの? あんた」


むっとするわたしをよそに、お母さんが続けた。


「行きは電車で行きなさい。……帰りは飛行機で良いから」

「行きは電車? 飛行機じゃ無いんだ」

「その方が旅! って感じがするでしょ」

「時間かかるくない?」

「それが良いのよ。帰って来る時、絶対そう思うよ」


小さいキャリーケースをガラガラと転がしながら、私は新横浜駅から新幹線に乗った。一人で乗るのは初めてだけど……早速、旅をしている気分になり、お母さんの言葉を思い出す。より旅の気分を味わうために、シウマイ弁当とお茶を買って予約してある座席へと向かった。


スーツ姿のサラリーマンが多く乗車しているけど、雰囲気は毎朝の満員電車と全然違う。穏やかな空気がピンと張りつめている中、博多駅に向かって、わたしの旅は始まった――


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