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【第5章】大きくても小さくても命だよ 第4話

「お父さんてさぁ、猫とか犬とか嫌いなの?」

「……お母さんは?」

晩ご飯の時間。お父さんとお母さんに、お兄ちゃんがたくさん質問している。「何で?」ってお母さんが聞いても、「いや別に?」だって。……絶対バレてるだろうなと思いながら、わたしは無視してテレビを見ているふりをする。


「ま、お母さんは犬とか猫とか……嫌いよ?」

「えっ……何で?」

「色々大変じゃない。掃除したり、散歩したり……お世話するのは無理ね」

「まぁ……そうだけど」

「毛だって沢山落ちるしね。アレルギーになっちゃうよ」

「……」


後先考えずに、とにかくお父さんとお母さんにアピールをしているらしい。お母さんから言われても、何一つ言い返すことができていない。


(……それだと逆効果だよね……)


わたしよりも1歳年上なのに、なんだか残念だなぁー……と思う。


お兄ちゃんとはちがって、わたしには考えがあった。とにかくわたしは猫ちゃんの姿を見ていない。きっとお兄ちゃんも。先ずは……どんな猫ちゃんなのか、見てみたいと思っていた。


「ごちそうさまー」

手を合わせ、わたしはいつも通りの行動を取るようにした。変なところをお母さんとお父さんに見せてはいけない。お兄ちゃんは下手。「何かあるな」って絶対に分かるような行動しかしない。いつもそう。


(先ずは、顔見てみたいなぁ……)


1週間、毎日カーテンの内側から猫ちゃんを探すことに決めた。お兄ちゃんが言うには、夕方もいるらしいけど……とりあえず夜の8時頃、毎日チェックすることにして、もしダメなら、夕方も考えようと思う。


(……ダメだ。今日もいない……)


わたしは晩ご飯の時は、いつも通り変な行動を取らないようにして、夜の8時前になると、カーテンの内側に隠れる生活を毎日続けた。……でも全然猫ちゃんは現れない。


(……あっ! ……来たっ!)


作戦を開始してから5日目。この前の場所にまた猫ちゃんが姿を見せた。暗闇の中をゆっくりと動きながら……色々なところの匂いをチェックしている。


(可愛いなぁー……)

(……こっち、来ないかなぁ)


隣の家とは5メートルくらい離れている。シルエットしか分からない。もうちょっと近づいてきてくれれば、色も分かるのに……ともやもやした気持ちになる。


(来い……来い……)


1歩。また1歩。フラフラと歩きながらも、ちょっとずつ近づいてくる。


(んー……もうちょっと……)


顔や色が分かるかどうかの、微妙な距離。わたしは玄関から外に出てみることにした。サンダルを履いて、ソロリ……と足音を立てないようにドアを開ける。


ガラララ……


「ひらや」なので、横に開けるドア。レールの音が夜の玄関に響き渡る。


(うわぁ……)


わたしの予感通り、猫ちゃんはすでに姿を消していた。きっとわたしがドアを開けた音にびっくりして、逃げてしまったんだと思う。がっくりと肩を落として、ドアをまた閉めた。


(……はぁ)

(どうしよう。ちょっと考えないとなぁ……)


せっかく近づいてくれても、毎回こんな音を出していては……絶対に逃げられてしまう。一体どうしたら良いんだろう?とわたしは途方にくれた。


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