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【第4章】親不孝者35歳、黒猫と暮らす 第6話

夜。いつも明日の生活の不安。そして周囲の目に対する不安。色々な不安から眠ることができずに、涙を流していた時間。にゃーちゃんと暮らし始めて、大きく変わった。


「……寝るよ」

「にゃー」

シンと静まり返った2階。電気を消すと暗闇になる。布団の中で天井を見上げると……次第に目が慣れてきて、天井のシミが分かるほどまでになる。僕はこのシミをじっと見つめながら、眠れない夜を過ごしている。


カサッ……カサッ……カサッ……


昨日まで聞こえることのない、小さな音。


(ん……?)


耳を澄ますと、小さな音は僕の方に向かっているらしい。首だけ音の方に向くと、暗闇の中、「黒い何か」が僕の顔に向かって動いている。


「にゃあー」

「あぁ……にゃーちゃんか」

布団に入っている僕の胸の上で、誇らしげに鳴くにゃーちゃん。「にゃー」ともう一度鳴き、肩の所までやってきた。


「にゃー」

「にゃー」

耳元で何度か鳴くと、にゃーちゃんは頭をグリグリグリ……と僕の掛けている布団の中にめり込ませていく。


「何? 入るの?」

無言で頭をグリグリと押し付けている。


「はい」

僕は布団の角を軽く持ち上げる。スルスルッ……とにゃーちゃんは、僕の布団の中に潜りこんできた。そして向きを変えて、脇の下からピョコッっと顔を出す。


グルグルグル……と喉を鳴らし、うっとり目を細めている。


僕は目頭が熱くなった。これまでずっと1人だったこともある。でも……何だかにゃーちゃんに頼りにされているように感じたから。「ありがとう」と言っているように感じたから。


いつもと違う理由で、僕はまた布団の中で泣いた。



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