表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/96

【第3章】砂時計は3度で壊れる 第7話

「それを使うんだ」

そう言うと黒猫は、顎でくいっとわたしの机を指した。何だろう?と思い、自分の机に視線を落とす。


「……あっ」

「それね」

「砂時計……」

雑然と積み上げられた教科書の隣に、わたしは小さな砂時計を見つけた。


「そう。それを使う」

「……」

「香織ちゃんが『変えたい』って後悔している場面があるなら……その場面と、その相手を想い浮かべて」

「えっ?」

「その場面に戻ることができる」

「……戻れるの?」

「そう。戻れる」

「……本当?」

「本当だよ」


にわかには信じ難い。でも……とりあえず話を聞かなくちゃ。わたしは真剣に黒猫の話を聞くことにした。


「それって? どうやるの?」

「変えたい相手がいる時に、思い浮かべれば良い」

「それだけ?」

「うん。砂時計を握り締めながらね」

「なるほど……簡単だね……」

「簡単だよ」


わたしが過去、失敗した場面とか……変えたいなって思う場面を思い浮かべるだけで良いのか……これなら何だってできるんじゃない?って思う。「上手く使えば、その人の中にだって、入ることができるんだ」と言っていたけど、別にそこまではいいかなと思った。


「ただし」

「……?」

「日曜日言ったよね? 3分だけ。そして、3回だけ」

「えー……」

「覚えてないの? 言ったじゃん、一昨日」

「そっか……」


無限に使えるわけがないか……と思うけど、3回もあれば……十分じゃないかなとも思う。


「でもさ、3回しか使えなくても……これ、すごくない?」

「凄いよ。でも気を付けて」

「えっ……? 何かヤバいことがあるの?」

「1回使うごとに、君は『消えていく』」

「消える……? どういうことよ」

「まぁ……使えばわかる。だから、本当は3回以上使えるんだけど……それは止めた方が良い」

「怖……」

「別に命に関わることじゃないよ」

「うん……」

「とりあえず1回使ってみたら、何となく分かると思う」


「消える」その言葉が頭から離れない。黒猫は命に関わることじゃないって言ってるけど……何だか怖くなってきた。冷静に考えたら、そもそも何でわたしの所に来たんだろう?「1回使えば分かる」って……言ってることは分かるけど。


「ま、1回やってみたら?」

「絶対に3回以上やらない方が良いよ?」

そう言い残して、黒猫はベランダから外へ飛ぶように出ていった――





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ