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【第3章】砂時計は3度で壊れる 第2話

わたし――近藤香織は、地元の中学校に通う、中学2年生。

これといった趣味もない、特技もない。別に何てことのない普通の中学生だと思う。


(……はぁ)


「……テスト、来月の2日からだって!」

「えー……数学……全然分かんないんだよね」

「うちも。ほんとそれ」


(はぁー……)


1時間目の国語の時間が終わり、10分間の休み時間に入る。クラスは来月の中間テストのこと。部活のこと。好きな人のこと……話題が尽きることはない。


わたしは教科書とノートを机の中に押し込んで、両腕を組む。ため息をつきながら一人顔を伏せる。まるで誰にも興味がないかのように。


1年生の時に失敗してから……わたしに話かけてくる人はいない。


(また今日も同じか……)

(……もう、慣れたけどさ……)


「真衣ちゃんって、悠太くんのこと……好きなんだって!」


この一言。

この一言が、わたしを孤独にした。


「ねえ、香織ちゃん。絶対に言わないでね?」

「ん? 言わないよ。何?」

「私ね……悠太くんのこと……好きなんだよね」

「悠太くん……? 2組の?」

「そうそう! ……カッコ良くて、もう……」


小学校からの親友だった真衣ちゃんは、わたしだけに秘密を明かしてくれた。「絶対に言っちゃ駄目だよ?」という言葉と共に。


ちょっとした会話から、わたしは真衣ちゃんの秘密を……2組の洋子ちゃんにしゃべってしまったのだ。わざとじゃなかった。むしろ「真衣ちゃんの力になりたい!」とすら思っていた。


それ以来……もう真衣ちゃんとは1年間しゃべっていない。


それどころか、クラス中の女子を敵に回してしまっている。誰ひとりとして、わたしと休み時間にしゃべってくれる人はいない。


「さ、やるぞー」

ガラリと勢いよくドアを開けて、斎藤先生が入ってきた。


(……やっとか)


わたしは組んでいた腕を解いて姿勢を正す。机の中から、教科書とノートを取り出した。

授業の時間だけ、わたしは前を向くことができる。


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