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【第2章】君たちを繋ぐパレット 第14話

(そうか……そういうことなんだ……)


そう思った方が、パパとママの行動に納得がいった。でもなぜなのか理由は分からない。少しだけ心のもやもやが晴れたわたしは、部屋のパトロールを再開することにした。


「にゃっ……(よっ……と)」

トンッ……トンッとカーテンレールの近くから下りて行き、パパとママがいない部屋へ。洗濯物……掃除機……お布団……「いつもと違うものは無いかな」とわたしはチェックに余念がない。ヒクッヒクッと鼻を鳴らしながら、一つずつチェックする。


(まぁ、大丈夫そうね……)

(んっ?)


小さく細い何か。真っ黒だ。


(……何よ、これ)

(朝、無かったじゃないの)


「邪魔だ」と思い、パクリと飲み込んだ。


夜も0時を回り、パパとママは歯を磨いている。そろそろ寝る時間が近い。本音はもっと遊びたいけど……明日も早いの知ってるから。我慢してあげようかな。


「よしっ……にゃーちゃん? 寝るよ」

パパがわたしに声をかけて、お布団に入る。

「……」

「にゃーちゃん。どうするの? ストーブ消えたよー」

「……」

「にゃーちゃん?」

「……」


(お腹……痛いな)

(何だろ……? 動くと痛い……)


「にゃーちゃん? どうした?」

「……」

うずくまったまま、しゃべることができない……動くことも。痛い……お腹が。


(痛たたた……何なのこれ……)


「ん? どうしたの?」

「いや……にゃーちゃんの様子がいつもと違うんだよ……」

「えっ?」

「急に動かなくなったんだよな……どうしたんだろう?」

「……にゃーちゃん?」

「ほら……返事もしないだろ?」


「んーーー……(痛い……)」

わたしは痛くて鳴くことができない。喉の奥から音を何とか絞り出すので精一杯……。


「何か変なもの……食べたの? あなたは」

ママが頭を撫でながら話かけてくる。


(……!)

(もしかして……さっきの黒いやつ?)


「ちょっと……どうしよう」

「病院、開いて……るわけないよな……」

パパが真剣な目で電話を見てる。


「……ここ……ちょっと電話してみようか」

「すいません……夜分に失礼いたします……」

わたしは夜間の動物病院へと運ばれた。一番最初の日、女の人に入れられていた……あの檻に入って。

知らない男の人は、先生らしい。わたしのお腹を触って、冷たい液体を塗り付けた。お腹を触られるのは……大嫌いだけど……抵抗したくても力が入らない。その後、変な機械でお腹の辺りを触ったり、撮影したりされた。


「何か小さい物を飲み込んでるみたいですね」

先生らしい人は、真面目な顔でパパに伝える。パパも……顔が少し白く見える。


「えっ……そうなんですか……」

「たぶん……影からすると、ゴムの端切れみたな感じだな……」

「ゴム……」

「写真で見ると、もう腸の方に移動しているので……このままウンチと一緒に出ると思いますよ」

「本当ですか……」

「お腹を開けなくてもたぶん大丈夫だと思いますので……このまま様子を見ても良いかも知れないですね」

「はい……ありがとうございます」

「また様子が急に変わったら、明日の昼に来て下さい。今は夜間なので……出来る処置が限られてるんです」

「……はい。分かりました」


帰りの車の中で、パパは檻に入れられているわたしに向かって「ごめんね」「ごめんね」と何度も繰り返していた。


……ううん。


わたしが「ごめんなさい」だよ?

勝手に落ちてるやつ、食べちゃったんだから。


変なの食べて、ごめんなさい。


優しいパパとママを疑って

本当にごめんなさい――


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