【第2章】君たちを繋ぐパレット 第8話
(うー……寒いー……)
パパとママは夜の2時頃寝るってことが分かった。寝る時になると、エアコンとストーブが消える……本当は朝までつけておいて欲しいとわたしは思っている。
(んー……どうしよう)
(……寒い)
わたしは窓のそばが好き。だって外もパトロールしないといけないでしょ?でも……窓からはスースーと隙間風が入って来るのよね……
「にゃーちゃん? 寝るよ」
パパとママは寝る前になると、ちゃんと声をかけてくれる。すっごく嬉しい。
「にゃー!(まだ遊ぼうよー!)」
「ん? 何?」
「にゃあー(だから……遊ぼうってば)」
「パパは朝早いから……もう遊ばないよ?」
「にゃ……(えぇー……)」
寝るの早いよ……。これからじゃん、夜は。
パパとママの家に来て分かったこと。夜の2時くらいには寝て、朝の6時とか7時頃に起きる。わたしはお昼の時間はずっと寝てるから……微妙に遊ぶ時間が合わない。
寝て欲しくない理由。さっきも言ったけど……ストーブとエアコンが消えちゃうから。
(……もう……仕方ない)
「にゃー!(わたしも行く!)」
「あっ、にゃーちゃん。……入る?」
「どっち入るかな」
パパとママが布団をぺらりとめくってくれてる。
……わたしはパパの布団の中に滑り込む。なんだろ、パパの布団の中の方が……暖かい気がする。別にママが嫌いってことじゃない。ママも大好き。
「やっぱり、にゃーちゃんはあなたの事、大好きね」
(ん……ママも好きだよ)
するりとパパの布団に潜って、ガサゴソと体勢を整える。くるんと向きを変えて……わたしの指定席へと向かう。
「また、ここなの?」
パパの脇の下から入って、付け根の部分にアゴを乗せる。……そうすると……ちょうど良い高さだし、顔だけ布団から出るし……ここが最高。
「腕、疲れるんだよなぁ」
困った顔してるけどさ……何よ?ちょっと嬉しそうに見えるけど?
家に来て2日目から、わたしはここで寝ている。
(パパたちの生活に、合せてあげるわよ)
(仕方なく……だからね?)
パパの温もりに包まれながら……
今日もわたしは、たっぷりと眠る。




