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【第6章】次に会うのは、デイジーの咲く頃 最終話

(……痛い!!!)


ほっぺたに痛みを感じて、思わずわたしは目を覚ました。


(……!)


目を開けると、クロちゃんがわたしのほっぺを舐めてくれてる。ザリッ……ザリッ……ザリッ……という音が聞こえる。


「……クロちゃん、痛いってば……」

痛みと嬉しさの板挟みになったけど、しばらくわたしは我慢した。


「最後に、雪乃ちゃんにお礼をしてくれてるんだろうねー」

様子を見ていたおばちゃんが、けらけらと笑っている。


「ほんとに、3匹とも……あなたの事、大好きみたい」

「昨日言ったでしょー? 素直なんだよ? この子達は」

起き上がると、わたしの横に、ぺぺちゃんもハチくんも腰を下ろしていた。


「いやー……もう……みんな可愛いなぁー……」

わたしは3匹の頭を順番に撫でていく。


「にゃー……ん」

「にゃーーー……」

どことなく鳴き声が寂しそうな感じがする。


「この子達はね、ちゃんと分かってるんだよ。雪乃ちゃんがもう帰るって事」

「……そっか。賢いね。あなた達」


「にゃああああーー……」

細く悲しそうな声を出すクロちゃん……。


「大丈夫よ? あなた達。わたし……また絶対来るからね」

「にゃああー……ん……」

「にゃーーー……ん……」

頭をコツコツ……スリスリ……わたしの腕に押し付けてくる。

ずっと……ずっと。擦り付けることを止めようとしない……。


――


――


――


「さ、忘れ物は無い?」

「うん。大丈夫」

おばちゃんはキーを回してエンジンをかけた。


「あー……もー……みんな見てるよー……」

車の外には、3匹の猫たちがお見送りのために、外に出ている。


「ふふっ……また会いに来たら良いよ」

「休み休み頑張りなさい? きつかったら休んだって良いんだからね?」

砂利道をゆっくりとバックさせる。


「うん。きつかったら休むから。大丈夫。また来ないとだし!」

「そうそう。自分を大切にしてあげてね」

「それに……今度は猫の抱っこのやり方。教えてあげる」


向きを変えて、車がゆっくりと動き出す。

……3匹の猫たちが、車を追って走り出した。


「あー……追っかけてくる……泣いちゃうでしょー!!」

わたしは窓を開けて、顔を出す。3匹の猫たちに向けて大声を出した。


「ありがとー!!」

「また来るからねー!!!」

「また遊ぼうー!」


3匹の猫たちの姿は、徐々に……徐々に……小さくなっていった――


クロちゃん、ハチくん、ぺぺちゃん?

絶対にまた来るからね。


黄色いデイジーの咲く頃に――




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