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【第1章】桜木町の喫茶店 第1話

冬の雨は、冷え切った私の心を、さらに濡らす。


JR桜木町駅は、七色のまばゆい光を放ちながら……来る者の心を、明るく照らしている。


デートに向かうカップル。


綺麗な服装をした女性。


みんなどことなくそわそわとしながら……桜木町の周辺と、颯爽と歩いている。


……私とは違って。


夜の7時を回ると、夜は一層深くなり、賑やかな笑い声で街中は包まれる。


(……)


「小雨だから」と傘を持たずに出社した事を、少し後悔しながら……私は飲食街を1人、通り過ぎようとしていた。


(……もう、辞めたいな)


大学卒業と同時に福岡から上京してきて、もうかれこれ4年になろうとしていた。


横浜や東京の煌びやかさ、仕事の華やかさ……


福岡で思い描いていた憧れは、たった1年程度で砕け散っていた。


慣れない仕事。失敗ばかりで涙を流す毎日。


ろくに知り合いもできず、会社と自宅を往復する日々……


ここ半年は、出社途中に酷い目まいに襲われるようになっている。


それでも、実家のお母さんと電話で話をする時は、努めて笑顔で笑うようにしていた。


今日もこうして、冷たい雨の中……笑い声の中歩いていると、ふと涙が出て止まらなくなる。


(ははっ……雨で良かったかも)


すれ違う人は、きっと……涙なのか雨なのか。区別がつかないはずだから。



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