7話 脱獄計画
6日目 早朝
目を覚まし時計を見ると、起床時刻の1時間前である6時をさしていた。
普段、朝のサイレンか看守からの怒号で起きるミヤビだが、今日はめずらしく早く起きることができた。明日はついに、16番ことユウヤさんの脱獄計画の実施日だ。
イマムラさんの情報によれば、明日が最も陸地に近づく日。そのためにはまず、屋外に出る必要がある。
この艦の構造は、戦艦といっても旅客船のような構造になっている。
デッキ部分を一階とすると、上には四階、下というか内部には地下3階層まである。
そして、僕ら囚人が行動しているエリアは地下一階と地上一階だ。
こう考えると囚人達に知らされていない設備があまりにも多すぎる。
そんなことはさておき、地上デッキへの脱出についてだ。明日、行動することのできる自由スペースは地下一階。
一見無謀にも思えるが、当然僕たちも無策ではない。
イマムラさんがある程度覚えていた内部構造、そして、ユウヤさんは同室の囚人も味方につけていたらしい。
まずイマムラさん曰く、囚人が移動している階段以外に、階を移動する方法は3つある。
看守用通路、非常用外階段、そしてダクトだ。調理室から繋がっているダクトを通ることで、デッキに出ることが可能だそうだ。
ただ、前回僕が発見したダクトを人が通れるサイズではなかったように見えた。
イマムラさん曰く、食料保管庫の中にもダクトへの入り口があるらしい。
今日するべきことはキッチンへ潜入して、ダクトを開けること。実際、誰も件のダクトを確認できていないので、すでに通れる状態なのな、はたまた施錠されているのか。確認することが必須課題となる。
そして、その後。どのようにして自由広場からキッチンへ移動するか。
そこででてくるのが、ユウヤさんの同室の囚人である15番の男だ。彼は以前建設業をしており、間接的にではあるが、この監獄の建設に携わっていたのだ。
以前も言われていたように、この監獄は脱出不可能。よって、内部のセキュリティはそこまで強くない。以前キッチンへ行ったときも、特に鍵等はかかっていなかった。
脱獄に直接関わってくる場所以外には鍵もかけられていないようだ。
それは非常階段も同様。緊急時に鍵などかかっていては元も子もない。自由スペースから非常階段へはすぐに行くことができる。
つまり、キッチン内のダクトさえ開けることができれば、ユウヤさんの脱獄は理論上は可能となる。
そこで、今日キッチンへ行くことができるのはレイ。コック長ではないがら一コックとして刑務作業をする。
そこでなんとかなればいいわけだが。
コック長にもよるんだろう。ここであの時の6番なんかにこられたら......まぁ、そうだと思い込むとそうなってしまうものだ。なるべく考えないようにしよう。
◇◇◇◇◇◇◇
「囚人番号16番とその仲間たちが脱獄を試みているようですが。いかがいたしますか?」
「脱獄?どうやって。まぁいい。泳がせてやれ。絶対に、逃しはしないよ」
地上3階。モニターに囲まれた管制室で、怪しげな笑みを浮かべる男がいた。
つづく




