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砲撃の獄艦  作者: 樽宮銀
7/19

5話 残された日記

 

 ソファの下に現れた謎の階段。部屋を使えるのは後1時間半。それまで、緊急事態でもない限りこの部屋に入ってくる者はいない。

 僕たちは、恐る恐る階段を降りた。

カツン、カツン。

 階段は金属製の工事現場の足場に使われているよな簡素なものになっているため、歩くたびに静かな空間に音が鳴り響く。


「下まで着いたぞ。」

 そこは薄暗く、天井も低かった。

「床と天井の間.....とかですかね?」

 14番さんがそう考察する。

「でも、艦の中にこんな大きな空間のかな」

 普通のビルだったら、屋根裏の広さが大きくても違和感はあまりない。そういう構造なんだな。で、話がつく。

 だがここはスペースの限られた艦。天井裏がこんなにも広いというのは明らかに異常だ。

「あれ、ドアじゃね?」

 レイが指を刺した先は廊下の奥。ドアノブのようなものが輝いていた。

「行ってみますか。」

 そう言って、みんなでドアノブの前まで進む。

 ドアノブはすこし錆びていて、もう随分と長く使われていないことがわかる。

 扉を開くと、4畳くらいのスペースの部屋があり、部屋中に棚が配置されていた。

 棚の上にはいくつかの箱が置かれている。

 通路には「電子機器」「コード類」などのようにどこになにがあるのかが記されていた。

「とりあえず、なにかないか各自探しますか」

 そう行って、各々気になる場所を探索した。と言っても、4畳程度の狭い空間。

 ほとんど探している場所は同じだ。

 僕はひとまず壁中を這うようにくまなく探す。ここらさらにつながる場所がないのか。ここがなにに使われていたのか。

 すると、16番が何かを見つける。

「おい。これ、まだ使えるぞ。」

 そこには懐中電灯が3本。そして、スマートフォンのような電子機器があった。

「マジか!それがあれば外と連絡できる!」

「まってレイ。罠かもしれないし、電波を探知する機会が艦にはあるかもしれない。むやみには触らない方がいいよ。」

 とりあえず、持って帰るのは危険だと判断し、スマートフォンは元の場所に戻る。

 懐中電灯を手に入れたのは大きかった。電気もない暗い空間での探索は非常に困難だったが。明かりを灯しながら辺りを探索する。

 その他にも、様々な電子機器が見つかった。そして、部屋の右奥の隅。そこにはダクトへの入り口のようなものがあった。

 あいにく、鍵穴が錆びていて鍵も入りそうにはない。そもそも鍵すらもないのだが。

「あっ、あの。これ、なんですかね」

 14番さんの手には何冊かの手帳があった。

 みてみると、誰かの書き置き......というか、日記のようなものだった。

「この部屋を使っていた人......まぁなんらかの形でこの部屋に出入りしていた人でしょうね。」

 手帳の数は4冊。リスク分散として、1人一冊ずつ持ち帰ることにした。


「なぁ。今更なんだけどよ。時間、やばくねぇか?」

「「「あ」」」

 懐中電灯が見つかり探索がスムーズになったことに興奮し、皆無我夢中で探索していた。

「と、とりあえず。また明後日も借りれますし!一旦、戻りましょう!」

 そうして、俺たちは駆け足で戻った。が、階段を登った先には信じたくない光景があった。

 かなりガタイの良い大男が1人。こちら側をじっとみていた。

 看守かと思い、息をすることを忘れるくらいに絶望したが、よくみてみると、囚人服を身につけていた。

「あ、こ、こんにちは。」

「・・・」


 その胸元には囚人番号『6番』の文字が刻まれていた。


つづく


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