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砲撃の獄艦  作者: 樽宮銀
18/19

15話 ユウヤ・スジミヤ


【囚人】

囚人番号4番 レイ・アレス

囚人番号5番 ミヤビ・エイレン


囚人番号6番 ヴァンス・ビルーズ


囚人番号2番 ソーヤ・ラーバン 

囚人番号14番 リーバ・イマムラ 

囚人番号16番 ユウヤ・スジミヤ



8日目 朝


 あの後、僕が部屋に帰ってきた頃にはレイはすでに眠っていた。そして今もまだ眠っている。

 つまり、まだあの許可証の存在はバレていない......一体、なんて言って誤魔化せばいいのか

「ん゛〜あぁっー」

 レイが唸りながら体をジタバタさせている。

「レイ?起きたの?」

「ん゛ー。オムライスー」

 まだ寝ているみたいだ。寝ているレイをツンツンしていると、扉がノックされ看守がやってきた。

「おはよう。おい、4番。起きろ」

 看守はそう言いながら持っていた警棒でレイを叩いた。

「痛っだぁぁぁぁぁ」

 相当痛かったのか、レイは飛び起き、叩かれた場所に手を当てながら部屋をぐるぐると走り出した。

「な、何するんですか!!!」

 レイは看守に向かって叫ぶ。

「当たり前だろう。起きていないのが悪い」

 レイは不服そうに看守を威嚇している。

「お前ら、今日でこの部屋ともお別れだ。今からとある場所に移動してもらったあと、食堂にて朝食とする」

「「とある場所??」」

「ああ。まぁな。お前ら全員に行ってもらわなければいけない場所がある」

 一体どこに行くのか、アイツも特になにも言っていなかったが......

 ふと、看守からの視線を感じた。その視線は僕の右手あたりを見ていて......

「あぁ。そういえば、5番。お前は今日から特殊刑務作業員だったか」

「ん?なにそれ」

 レイの頭に大量のクエスチョンマークが浮遊する。

「5番。4番には伝えてなかったのか?」

「あぁ。はい。もらったのが昨日の夜で......レイ、いや4番はもう寝ていたんです」

「なるほどな。まーなんだ。説明が複雑にはなるんだが......簡単に言えば、艦長や看守長が決めた特別な作業をする囚人の事だ。現在療養中の1番と2番もそのうちの1人だ。」

「へぇー。なんでミヤビが?」

「我々にはわからない。今回は艦長の指名だったか?」

「あ、はい。そうですね」

「いいなーレイだけ。俺はー?」

「お前みたいな寝坊野郎には無理だろうな」

 レイはまた不服そうに看守に威嚇する。

「そんなことより、他の囚人はもう廊下に並んでいる。早く行くぞ」

「はーーい」

 そうして僕たちは部屋の外に出る。もちろん、ユウヤさんの姿はなく、イマムラさんの姿はあった。......ただ、1番と2番はまだいないらしい。

「よし。全員揃ったな。では、これより第二棟に移動する」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


第二棟


 週刊されてから初めての外。と言っても、艦はそこまででかいわけでもないので、数メートルほどの鉄格子に固められた渡り廊下を渡った程度だ。

 そして、薄暗いホールのような場所な連れて行かれた。

「よし。では、一列に並べ」

 そうして、僕たちは一列に並ぶ。すると、スポットライトが部屋の中心に当てられた。

「ハッ......」

 僕は目を疑った。

「えっ、どういう......」

 レイも中心の"ソレ"から目が離せていない。

 部屋の中心には鉄製のギロチン、そして、そこにはユウヤさんが縛り付けられていた。

「この男。囚人番号16番、ユウヤ・スジミヤは脱獄を企て、実行した。この行為により、処刑島までの移動の遅延を与えた。この行為は......"処刑"に値する」

 まさか捕まっているとは......。たしかに、ガラスを割って警報が鳴るというのは想定外ではあった。でも......

「今回、エリアが特殊だったため、監視カメラ等の映像がなく正確には分からないが、外に落ちていた椅子を見る限り、単独での犯行と考えられる。ユウヤ、最後に言い残すことはあるか?」

 ユウヤさんはそっと顔を上げて言う。

「ここは......脱獄......できない。艦の下に......アレがっ」

 ズドンッ

 何かを言いかけると、即座にギロチンの刃がユウヤさんの首に落ちた。

 そして、ギロチン台にユウヤさんの首が転がる。

「......ッ」

 言葉にしようにも、言葉にできない。

 レイは既に手で目を覆っている。

「わかったか。お前らはあと2週間もしないうちに処刑される。そして!この艦が出ることはできない。脱獄を企てるなど馬鹿な事は考えるな。処刑が早まるだけだ」

 看守はそう言い、僕たちを食堂へと案内する。

 僕たちは、歩くことさえ、おぼつかなかった。


つづく

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