15話 ユウヤ・スジミヤ
【囚人】
囚人番号4番 レイ・アレス
囚人番号5番 ミヤビ・エイレン
囚人番号6番 ヴァンス・ビルーズ
囚人番号2番 ソーヤ・ラーバン
囚人番号14番 リーバ・イマムラ
囚人番号16番 ユウヤ・スジミヤ
8日目 朝
あの後、僕が部屋に帰ってきた頃にはレイはすでに眠っていた。そして今もまだ眠っている。
つまり、まだあの許可証の存在はバレていない......一体、なんて言って誤魔化せばいいのか
「ん゛〜あぁっー」
レイが唸りながら体をジタバタさせている。
「レイ?起きたの?」
「ん゛ー。オムライスー」
まだ寝ているみたいだ。寝ているレイをツンツンしていると、扉がノックされ看守がやってきた。
「おはよう。おい、4番。起きろ」
看守はそう言いながら持っていた警棒でレイを叩いた。
「痛っだぁぁぁぁぁ」
相当痛かったのか、レイは飛び起き、叩かれた場所に手を当てながら部屋をぐるぐると走り出した。
「な、何するんですか!!!」
レイは看守に向かって叫ぶ。
「当たり前だろう。起きていないのが悪い」
レイは不服そうに看守を威嚇している。
「お前ら、今日でこの部屋ともお別れだ。今からとある場所に移動してもらったあと、食堂にて朝食とする」
「「とある場所??」」
「ああ。まぁな。お前ら全員に行ってもらわなければいけない場所がある」
一体どこに行くのか、アイツも特になにも言っていなかったが......
ふと、看守からの視線を感じた。その視線は僕の右手あたりを見ていて......
「あぁ。そういえば、5番。お前は今日から特殊刑務作業員だったか」
「ん?なにそれ」
レイの頭に大量のクエスチョンマークが浮遊する。
「5番。4番には伝えてなかったのか?」
「あぁ。はい。もらったのが昨日の夜で......レイ、いや4番はもう寝ていたんです」
「なるほどな。まーなんだ。説明が複雑にはなるんだが......簡単に言えば、艦長や看守長が決めた特別な作業をする囚人の事だ。現在療養中の1番と2番もそのうちの1人だ。」
「へぇー。なんでミヤビが?」
「我々にはわからない。今回は艦長の指名だったか?」
「あ、はい。そうですね」
「いいなーレイだけ。俺はー?」
「お前みたいな寝坊野郎には無理だろうな」
レイはまた不服そうに看守に威嚇する。
「そんなことより、他の囚人はもう廊下に並んでいる。早く行くぞ」
「はーーい」
そうして僕たちは部屋の外に出る。もちろん、ユウヤさんの姿はなく、イマムラさんの姿はあった。......ただ、1番と2番はまだいないらしい。
「よし。全員揃ったな。では、これより第二棟に移動する」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
第二棟
週刊されてから初めての外。と言っても、艦はそこまででかいわけでもないので、数メートルほどの鉄格子に固められた渡り廊下を渡った程度だ。
そして、薄暗いホールのような場所な連れて行かれた。
「よし。では、一列に並べ」
そうして、僕たちは一列に並ぶ。すると、スポットライトが部屋の中心に当てられた。
「ハッ......」
僕は目を疑った。
「えっ、どういう......」
レイも中心の"ソレ"から目が離せていない。
部屋の中心には鉄製のギロチン、そして、そこにはユウヤさんが縛り付けられていた。
「この男。囚人番号16番、ユウヤ・スジミヤは脱獄を企て、実行した。この行為により、処刑島までの移動の遅延を与えた。この行為は......"処刑"に値する」
まさか捕まっているとは......。たしかに、ガラスを割って警報が鳴るというのは想定外ではあった。でも......
「今回、エリアが特殊だったため、監視カメラ等の映像がなく正確には分からないが、外に落ちていた椅子を見る限り、単独での犯行と考えられる。ユウヤ、最後に言い残すことはあるか?」
ユウヤさんはそっと顔を上げて言う。
「ここは......脱獄......できない。艦の下に......アレがっ」
ズドンッ
何かを言いかけると、即座にギロチンの刃がユウヤさんの首に落ちた。
そして、ギロチン台にユウヤさんの首が転がる。
「......ッ」
言葉にしようにも、言葉にできない。
レイは既に手で目を覆っている。
「わかったか。お前らはあと2週間もしないうちに処刑される。そして!この艦が出ることはできない。脱獄を企てるなど馬鹿な事は考えるな。処刑が早まるだけだ」
看守はそう言い、僕たちを食堂へと案内する。
僕たちは、歩くことさえ、おぼつかなかった。
つづく




