13話 ユウヤさんとの別れ
【囚人】
囚人番号4番 レイ・アレス
囚人番号5番 ミヤビ・エイレン
囚人番号6番 ヴァンス・ビルーズ
囚人番号14番 リーバ・イマムラ
囚人番号16番 ユウヤ・スジミ
ミヤビが戻ってきたのは就寝時間の30分前ごろだった。
「ミヤビ!大丈夫だったか?」
ミヤビに声をかけると、ミヤビはゆっくりと顔を上げた。その顔は、どこか暗くやつれていた。
「あ......レイ。大丈夫だよ」
「......なにがあったんだ?」
「あ〜。所長さんから、カメラが壊れたことについて?聞かれた、みたいな。大丈夫だよ。上手く誤魔化しておいたから」
「そっか。それなら、良かった。」
いつもなら明るくふわふわした雰囲気で話しかけてくるミヤビが、今日はどこか元気がなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ユウヤ脱獄計画当日
「おはよぉ!レイ!!」
すると、レイは少しびっくりしたような顔で目を擦りながら起き上がる。
昨日は少しやらかしてしまった。"アイツ"の発言に動揺して、レイに心配をかけてしまった。今日は作戦の当日。いつも通りやらないと。
「今日は遂にユウヤさんの脱獄だね〜」
「あぁ。そうだな。もう大丈夫なのか?」
「うん!昨日はごめんね?疲れちゃってさ」
それからほどなくして看守が部屋に点呼をとりに来た。
今日も引き続きこの部屋での待機。作戦通り、今日もこの階にいることができる。
「ユウヤさんが脱獄したあと、俺らはどうするんだ?」
「ユウヤさん、あと10番さんをこの部屋に呼ぶ。作戦の最終確認をしたら、後は脱獄。僕たちはこの部屋に残るよ。」
「え?窓までついていかないのか?」
「うん。多分、脱獄したらすぐに看守達が駆けつけるはず。なるべく最小の人数で行わないと。」
「そっか、いつ頃決行するんだ?」
「昼にはご飯を持って看守達が来るはず。だからその後、かな」
「わかった。まぁ、俺らはなんもすることないんだな」
「そうだね。ユウヤさんの無事を、祈ろう」
13:30
僕たちは予定通り、ユウヤさん、10番さんを呼びに行った。
「遂にだな!脱獄!」
いつもよりテンションの高いユウヤさんが自室の椅子をぶんぶんと回しながら飛び跳ねている。
「10番さんも、来てくれてありがとうね?」
「ああ。問題ない。」
「じゃあ、改めて。今日の作戦の確認をするよ?」
部屋の中心に集まり、作戦を確認することにした。
「この後、10番さんとユウヤさんは例の窓の場所まで行く。僕たちは部屋まで待機。窓を割ったら、10番さんは即自室へ。椅子はそのまま外に放り投げてください。」
「わかった。」
「了解!」
「ユウヤさん。今まで、ありがとうございました。」
レイが少し涙ぐみながらユウヤさんに手を差し伸べる。
「泣くなよ!脱獄したら、また会おう。少しの間だったけど、世話になった。お前らの脱獄を手伝えないのが1番の心残りだな。」
「ユウヤさん、僕からもありがとうございました。絶対に、成功させてくださいね?」
「ああ!お前らの努力は無駄にしねぇぜ!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
2人に別れを告げ、俺は大窓の前に立った。
「お前もありがとうな?10番」
「あぁ。与えた恩はいつか帰ってくる。問題ないよ」
「そういえば、お前はなんて名前なんだ?」
「......ブルス。ブルス・ルビア」
「ブルス......ルビア?え、ルビアって」
「さぁ。始めるぞ。」
「あ、あぁ。頼む」
お互いに目を合わせ、俺は数歩後ろに下がる。すると、10番が恐ろしい勢いで椅子を投げる。
バリンッ。
激しい音を立て窓ガラスが割れる、と同時に。
ウィーーン、ウィーーーン
案の定、割れると同時にサイレンが鳴り響いた。その頃には10番は背を向けて自室に走っていた。
上の階層からバタバタと足音が聞こえる。
「じゃあな!お前ら!!」
俺は窓ガラスから飛び出し、海へと飛び込んだ。
つづく




