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異世界に転生しましたが、運命の番が2人いました  作者: 佐藤かなめ
第五章 彼は3人目の運命の番
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 「すみません……、私、瑞光様と星輝様の目を覚ますことができていなくて………」

 「気にされずとも良い。番が戻ってきたのだ、暫くしたら目覚めるだろう」


 瑠奈の向い合せに座った瑞苑は柔らかく微笑んだ。

 その眼差しは優しくて、瑠奈はいたたまれない気持ちになる。


 「瑞苑様、瑠奈さんが運命の番であるってことは間違いないんですの?」


 瑞苑の隣に座るマリーナが首をこてんと横に傾けて、愛らしい声で聞いた。


 「わたくし、瑠奈さんが運命の番であるということを、誰からも聞いていませんの。瑞光様からも、記憶がなくなる前の瑠奈さんからも。瑠奈さんが運命の番なら、すぐに目を覚ますのではなくって?」

 「確かに明言はしてないと聞いているが、瑞光と星輝は彼女に逆鱗を渡したというじゃないか。それは即ち、彼女が2人の運命の番である証拠だと思うが」

 「普通、運命の番が、同一人物であることはないんですわよね?お2人が異世界から来た瑠奈さんを可哀想に思って、逆鱗をお渡ししたという可能性はないんですの?」


 推測に誰も反論できないのを見て、マリーナはにっこりと笑った。


 「わたくし、倒れる前の瑞光様に、『よろしく頼む』と言われましたの。それなのに、まだお会いできてないのが心苦しくて……。わたくしも、瑞光様のお世話を瑠奈さんとしたいわ。瑠奈さんも、話し相手が欲しいのではなくて?ね?」


 マリーナからの視線を避けるように、瑠奈は俯いた。できるなら、断りたい。10年経っても、瑞光に執着しているようにみえるマリーナが怖い。


 「……………恐れながら。マリーナ王女殿下」


 瑠奈の後に控えていた白麗が、口籠る瑠奈を見かねて口を開いた。


 「白麗、貴方はただの臣下。わたくしに口答えする権利はないわ」


 マリーナは身を乗り出して、瑠奈の両肩に手を置いた。目線を上げた瑠奈に、ふんわりと笑いかけた。


 「瑠奈さん、御心配なさらないで?瑠奈さんが記憶を失われる前、身分の差はあったけれど、何でも話し合える関係でしたの」

 

 マリーナの話をただ聞くばかりだった瑞苑が、顔を綻ばせて拍手をした。


 「マリーナ王女!そこまで我が息子のことを気遣っておられるとは嬉しい限りだ!瑠奈さんが運命の番でなければ、そなたが息子の伴侶になってもいいかもしれんな!」

 「そんな………!わたくしは、そんなつもりは………!!」


 謙遜しつつも、マリーナは喜びを隠せず頬をゆるませた。

 瑞苑は、マリーナと瑠奈を見て頷いた。


 「瑠奈さん、明日からはマリーナ王女にも瑞光の様子を見てもらうことにしよう。そなたも、よい友人がおって良かったな」














 瑠奈は沈んだ気持ちで、布団の中から顔を出した。


 (これから、どうしよう………)


 瑞苑のせいで、マリーナ王女と過ごすことになってしまった。もう遅いからといって、明日からになったけれど、上手くいく気がしない。


 『白麗を運命の番と認識している瑠奈』の振りをどうすべきか。早くから寝台に入ったのに、寝付けなかった。


 ―――カチャ……


 静かにドアが開く音がした。

 ドアを開けた人物がひっそりと部屋の中に入り、瑠奈が寝ている寝台の前で足を止めた。


 (誰だろう……………?)


 瑠奈だけでなく、瑞光と星輝が眠るこの部屋は厳重な警備が敷かれている。誰かが入ることなんて、あり得ない。白麗かなと推論した瑠奈は、そのまま寝たふりをすることにした。




 「………………ゔっ………!!!」



 瑠奈は、喉元を容赦なく締め付けられた。

 息が出来なくて、苦しい。

 目を見開くと、そこには。


 「瑠奈さん………!!貴女がいなければ、わたくしが瑞光さんの運命の番になれるのよ…………!!!」

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