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 白麗は用事があると言って、部屋を出ていった。

 瑠奈にはこの部屋から絶対に出るなと言い残して。


 瑠奈は眠る瑞光と星輝のことを見つめた。


 瑞光と星輝の命が絶えてなくて良かった。

 でも、ただ眠っているだけだ。目を覚ましてほしい。


 「どうしたらいいの…………」


 白麗は瑠奈が異世界に戻ってきて、2人の様子に変化はないと告げた。白麗とのキスに、何の意味はなかった。


 運命の番なのに、全然役に立ってない。

 本当に、運命の番なんだろうか。


 「戻ってきて、良かったのかな…………」


 瑞光と星輝を苦しめたくせに、助けることはできない。その事実が、辛かった。


 瑠奈の瞳から涙が零れ出た。


 白麗は瑠奈のことを恨んでいた。それもそうだと思う。自分のことだけを考えて、元の世界に還りたいと言ったのだから。


 (何にもできないのなら、異世界に戻ってくるんじゃなかった………!!)


 瑠奈は両手で顔を抑える。涙が止まらなかった。



 




 「あれ?瑠奈ちゃん泣いてるの?」


 白麗の声がした。いつの間にか白麗が部屋に戻っている。


 「泣いてなんか………いません!!」


 瑠奈は瞳を擦って顔を上げた。白麗にとっては加害者の瑠奈が被害者みたいな顔をしたら許せないだろう。泣いていたのはバレバレだろうけど、泣いてたなんて言えなかった。


 「ふうん?そうなんだ。ねぇ、お願いがあるんだ」

 「何ですか…………?」


 白麗は座り込んだ瑠奈に近づいた。濁った瞳で瑠奈のことを見つめる。


 「これで、自分のことを切ってくれない?」


 白麗が渡してきたのは、短刀だった。

 

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