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瑠奈が目を開けたとき、そこは大学だった。
(あれ………?時間があまり経過してない……?)
異世界に1週間はいたはずなのに、戻ってきたら異世界に行く前とほとんど時間が変わりなかった。
(ここと異世界では時間の流れが違う……?)
異世界から元の世界に戻れて嬉しいなんて気持ちは全くなかった。
(早く戻らないと、瑞光さんと星輝さんの命が危うい………!!)
席を立つ瑠奈を友人が不思議そうに見てくる。
瑠奈は講義を抜け出した。
(でも、どうやったら異世界に戻れるんだろう……)
異世界に行くときは何かきっかけがあった訳じゃなかった。異世界に戻る方法が、分からない。
早く戻らないといけないと思うのに、手掛かりさえない。
ただ気持ちだけが焦る。
1人になりたくて、下宿中のアパートに戻った。
瑠奈には、後悔しかなかった。
アパートに戻っても、何も手につかない。
(還りたいなんて、言うんじゃなかった……!!)
血にまみれた瑞光の姿が目に焼きついて離れない。
なんとかして戻りたい。でも、どうやって。
「瑞光さん、星輝さん、私のせいでごめんなさい………!!」
瑠奈の頬に涙がつたった。
「必ず………必ず戻るから………!どうか無事でいて…………!!」
瑠奈の言葉があちらの世界にいって、2人に届いてほしい。瑠奈は必死に祈った。
瑠奈はいつの間にか疲れて眠っていた。
夢の中に、瑞光と星輝が出てくる。
「私が目の前で倒れて驚いた?瑠奈の人生の中で最も衝撃的な瞬間だったよね?瑠奈の心の中にずっと私がいれるってことだよね?命をかけて瑠奈を元の世界へ戻して良かった………!!ねぇ、瑠奈、喜んで?」
瑞光は柔らかく笑い瑠奈を抱きしめた。瑠奈は瑞光の腕の中、涙する。瑞光が瑠奈の後頭部を優しく撫でたと思ったら、姿が消えた。
「瑠奈さん、僕は瑠奈さん以外好きにはならない。僕たちの世界にまた戻ったら瑠奈さんは二度と元の世界へ戻すことはしない。瑠奈さんのせいで、僕たちの国は滅茶苦茶だよ。だから早く戻ってきて」
星輝は瑠奈を愛おしげに見つめ、瑠奈を強く抱きしめた。
「どうしたら戻れるのか分からないの!!」
瑠奈は涙ながらに星輝に訴えかける。
「戻る方法……?簡単だよ、戻りたいと思えばいいだけ。瑠奈さんは既に逆鱗を飲んでいるんだから」
「戻りたいって思ってたけど、戻れない!!」
星輝は瑠奈を抱擁から解き放ち、冷めた目で瑠奈のことを見る。
「本当に戻りたいと思っているの?戻りたいって気持ちは嘘なんじゃない?」
「嘘じゃない……!戻りたい……」
瑞光がまた現れ、瑠奈に問う。
「せっかく自由にしてあげたのに、いいの?戻ってきたら瑠奈に自由はないよ?」
「それでもいい……!それでもいいから……!!お願い………!!戻らせて………!!」
懇願する瑠奈に、瑞光と星輝は酷く嬉しそうに笑った。でも、2人の目は笑ってなくて、どこか暗さを秘めていた。瑠奈は何故かぞっとした悪寒を感じる。
(あれ………?何か間違ったかな………??)
戸惑う瑠奈に、瑞光と星輝は瑠奈を抱きしめた。




