喜び
今回は私BJがお送り致します。
演劇祭への日にちが確実に近いていく。
それと共に皆の演技力も成長していく事はなく。
皆、宿題を影は台本作りをひたすらしていた。
「できました!」
『おおっ!』
日にちが変わり影から吉報が訪れ、皆歓喜の声をあげる。
影の手には台本であろう冊子が持たれていた。
皆我先にと影に押し寄せる。
もちろん。影と共に喜びを分かち合う為ではなく台本を見る為である。
「見せろ! 俺が先だ!」 時雨が皆の代弁しながら影に詰め寄る。
「うるさいっ! バカども」
夕輝が一喝すると皆が驚いて静かになった。
「まず、部長である俺からに決まってるだろ」
「結局お前も先に読みたいんじゃねぇか!」
時雨が夕輝に言うが軽くあしらわれた。
「ほら、俺が先だ」
夕輝が手を前に出して"くれ"と渡す様にジェスチャーする。
「させるかっ! 俺が先だ!」
「今まで台本に食いついてなかったのになんで今回はそんなに食いつくだよ!」
「今回で全てが決まるからだよ!」
時雨と夕輝がまた、抗争を始める。
「あ、あのー!」
今度は影だった。
影は皆を見回してから皆に聞こえる様にさっき皆を静かにさせた声とは比較的低い声で言った。
「皆で見ればいいんじゃないでしょうか?」
『……………』
そんな事は皆わかっているんだが口に出せない空気だから皆、影に頷いて肯定の意を表す。
「お前そこ邪魔だ!」
とか
「早くページをめくれ!」
一向に静かになる気配が出せない面子であった……
皆同時に読み終わるとそれぞれ宛てられた席に着く。
暫く沈黙になって深いため息を吐いた。
影は少し不安で皆を一瞥する。
『……別に良いんじゃないか?』
皆の声で影は皆に気づかれない様に小さくガッツポーズを決めて静かに喜んだ。
まあー、皆それは目に入ったんだけどな。
中には影を見て笑う者も居た。
「それじゃあ早速始めましょうか?」
汀の発言に"やるかー"とテンションを上げて練習を始めた。
次は桃蓮様です。
よろしくお願いしま~す