日本国転移 共通設定1
♢
異界と異世界の違い
Aという賽子から観測されたBという賽子が異世界になる。
そして、Aという賽子の1の面から見た2の面が異界という事に成る。
また、Aという面には裏がある。そこが死後の世界と規定している。
また、通路のようなもので各異世界は接続されており、魔力も同じ密度になろうとして移動する。
ただし、この接続が切れた場合魔力やそれの触媒となる大気の行き来がなくなる。
この為、魔力的に不安定化しやすい。
♢
魔物について
魔物は同じ世界に存在する異界からやってくる。魔物そのものに異世界間を移動する能力は原則存在しない。
ただし、物事には例外がつきもの。異世界を超える事が可能な魔物も存在する。
概ね猪を非常に大型化し筋肉量が異常に増えたような外観かつ、頭を犬歯の伸びたリカオンに挿げ替えたような魔物(世界魔道協会命名、ベヒモス)がその大半を占めている。
異界に存在する魔物が我々の存在する次元に出現可能なのは、その体の大きさに占める霊力結晶が原因とされている。
ベヒモスの全長がおおむね50m前後、大型個体は120mに達することもある。
ベヒモスの体内には他の魔物には存在しない、ウォンバットのような育児のうらしき袋が雄雌問わずに存在している。
またいくつかの解剖例の内、その育児のうらしき袋に魔物の幼体が存在していた点を鑑みて、ベヒモスは異世界に魔物を運ぶための”箱舟”としての機能を有するためここまで巨大になった。
魔物の外観については現実世界に存在する生物を踏襲した外見のモノが多いが、それに該当しないものも存在する。
先に述べたベヒモス以外にも、緑色をした肌を持つ猪や小人(前者はコボルト、後者はゴブリンとも呼称される)背中に翼の生えたライオン(マンティコア)サーペント(蛇、ただし魔法を用いる)。
マンティコアについてはベヒモスの嚢に入る事が出来ない大きさだが、体毛に潜り込むことによって移動している。これ以外にも複数の魔物が存在しているが、別で紹介する。
また異界に転移した上で変質した人間は異界に存在する魔物と同様に人間に対し強い攻撃性を示す。
変質した人間は便宜上魔王と呼称され、魔物を率いて人間を亡ぼすべく現世に侵略を行う事で知られている。人間から魔王に変化した人間は『探偵と妖怪』の世界線にも、『戦闘集団の活動記』の主人公らが転移した先の世界にも存在している。
ただし、最近になって確認された頭が雄牛の人間については系統がまったく別である。
これは魔力の波形がまったく異なる点や、死体が痕跡すら残らない点から決定されたことである。
この為、この牛頭の怪人は”牛鬼”の可能性が高いと言われる。
♢
妖怪について
異界から来た妖怪は人間に対し強い攻撃性を示す。
前述した牛鬼が異界の妖怪である。
ただし、所謂現世に存在する妖怪は人間に対し攻撃性を示さず、友好的な関係を持とうとする存在が大半である。
ただし、妖怪は人間からの観測の結果生まれた存在であるため、人間からの見方が変化すれば、その性質を大きく変えうる。
また、異界から侵入した妖怪は魔物と区別される。
魔物は言語以外の鳴き声(ただし、鳴き声も言語の一種と捉える事ができる)を始めとした方法でコミュニケーションをとる。
妖怪ははっきりと人間が用いる言葉を話し、意思疎通を図る事ができる。ただし、強い殺意を持つため言語による交渉は不可能である。この為、殺される前に殺すほかに実力で叩きのめして分からせて部下にするかである。
♢
妖怪と人間の混血について
『探偵と妖怪』においては主人公がそうである。
また、異界から来た妖怪と現世の人間の間に生まれた混血者についても一定数は存在する。
現世の妖怪と現世人間の混血は乙種混血者、異界の妖怪と現世の人間との混血者は甲種混血者と称される。
『探偵と妖怪』主人公有馬忠義の場合は、かなり複雑になるが甲種5乙種3の混血となる。
高祖父の代までさかのぼって説明すると、16名の内5名が異界の妖怪で、3名が現世の妖怪、残り8名人間となる。
ただし、身体、魔力共に虚弱な者が多く、酒の味を合法的に知る事ができる者は僅かともいわれる。
しかし、その僅かな上澄みこそが非常に強い術師となる素質を持っている。
発現しないまま死ぬものが大半だが、『探偵と妖怪』では偶然か何かが重なった結果発現に至った。
補足だが、田中弘治は妖怪との混血者ではない。純粋な人間である。
♢
キュラームについて
イリーナ・アーゼンバークの生まれ故郷の世界。
魔王は1000年に一度の間隔で生まれており、その魔王による侵攻を食い止めるために『戦闘集団の活動記』主人公ら所属組織が”神”の手により召喚された。
ちなみにだが、上記の遠因にはイリーナ・アーゼンバークの異世界転移である。
1500年前の魔王誕生時、イリーナ・アーゼンバークとその弟子およそ30名により魔王軍の撃退、及び魔王の殺害に成功している。
ただし、戦後処理が原因の国家間戦争が発生した。
これは魔王軍との戦争で死んだ人間が原因で発生したアンデッドによって一時休戦となったが、イリーナ・アーゼンバークが表舞台から姿を消す原因の一つになった。
なお、1500年の間にいくつかの国家が亡び、新たな国家が興隆するなどしたが、それだけでも小説が書けるので深くは触れない。