英雄記録 人間歴A年B月C日 ?人目 (予告編?ともいう)
昔々神たちが人の世から完全に去っていないほど昔、世界の中心にほど近い星で最古の神々でも興味を持つような催しがあったそうだ。なんでもその催しの名前に興味を引いたらしい。
その催しの名前は「わしの娘は誰がなる⁉息子の嫁決定戦!」というそうだ。
確かに特徴的な名前だ。それに歴史が有り、面白いのだろう。また一回の大会で世界各地から現地にいろんな種族の者たちが一億体以上の観客を集めているのだから行われている場所に住んでいる私からしても大したものだと鼻が高くなる事がある。しかし住人として一つだけ文句がある。
混雑しすぎだ!!!!!!!!!
毎回この催しが行われると他の星から来るいろんな種族がこの星にいや、この国に滞在するから三方向を山地に囲まれ小さな平野があるだけのこの国では過密すぎる。しかもこの国は与全者に、、いややめておこう。
さて気を取り直してこの催しが開催されるようになった経緯について話そう。
時は人間歴1,000年程、神たちの直接の支配を受けていた国が粗方違う国になるか消えるかした頃、とある星のとある国で神殺し級の才能を持つ者が生まれた。この広い世界といえど平和になった時代としては珍しい神殺しの誕生に国全体は沸いたが同時にある問題も生まれた。
勢力の均衡が崩れたのである。元々周りの国と宗派が違うこの国は味方が少ない。またそれにプラスして世界を二分して行われた大戦により周りの国はおろか周りの星にも強力な部隊が置かれ監視が行われていた。しかし神殺し級の戦力が生まれてしまっては世界が平和となり戦力拡充よりも経済的に豊かに発展しようとしていた周りの国は警戒せざる得ない。
しかし融和を進めようとしていたこの国の首脳陣からしてみれば迷惑な話である。長い時間をかけて様々な外交的障壁を乗り越え周りの国との友好的な関係を築こうとした瞬間にその考えをぶち壊す王子が生まれたのだから。勿論この子を排除しようとする者たちも現れたがその子は「運」が良くいつも助かりすくすくと育っていた。
このような事態に周りの国々は恐れおののき、首脳陣は頭を抱える事となり、数年経った。
ある日、王は日々の政務そして王子のこと疲れたので気分転換にとお忍びで町へ出かけていた。すると、人だかりが出来ていた。何事かと思い、護衛に付いてきていた者に調べさせると、、、
昼間から件の王子が部下たちと酒盛りしていたのだ。
王は思わず崩れ落ちてしまった。王子の年齢は国が定める飲酒解禁の年齢を超えていたため問題はない。しかし、国境の警備を命じていた筈の王子が何故ここに居る!?
1分近く王はそのままでいた。しかし、王はいち早く正気に戻った護衛たちに起こされた。王としては見なかったふりをしたいと思ったが放置もできるはずもなかった。王はゆっくり立ち上がり護衛たちの方を見た後・・・全速力で逃げるが!勿論捕まった。
捕まってしまった後、説得された王は護衛たちに促され王子の元に向かった。渋々と。
1時間後、そこにはぐでんぐでんに酔っ払い爆笑している親子と無理やり飲まされ酔いつぶれた護衛たちそして王子の部下たちがいた。
「ハッハッハッハハッ!それでお前は周辺の土地ごとぶっ飛ばしたんだな!」
「ぷぷぷっそうそう。城の上層部だけ狙ったつもりだったんだけど、最近使ってない技だったから間違えて基礎部に撃っちまった!やっちまったかなぁって思ったけど大丈夫そうだな!!」
「ま、やっちまったことはしょうがないからなぁ~。これからのことを考えるだけだ。で?どうしてこんな事やった?今この国がどういう状態にあるか分かってんだろ?」
酒を浴びるほど飲んでようが国の最高責任者らしく正気は保っているようだ。同じく微かに酔ってはいるが正気を保っている王子も頷き今回の件の概要を話す。
「ふぅ。今回の件が起こったのは、いつも通り駄弁・・国境の警備をしていた時です。基本的に警備の最中に遭遇しても敵対行動をとらないように通達してあるのですが、、衝突が起きてしまい、、」
いつも快活としており、言いよどむことが余りない王子の様子に王が訝しげにしていると、、
「私がっ悪いんですっ‼」と横やりが入った。本来なら許されない行為・・だが発言した者の種族そして首飾りを見て今回の件の概観を掴んだようでため息をついた。
「エルフか、、、面倒なことになってきたな、、あーお嬢さん。一応確認するがその首飾りを付けているという事は族長の一族の者で相違ないか?」
「はい。その通りです。私は白エルフ族長の娘サキです。本来なら他の者が担当するのですが担当の者が体調を崩したらしく近くに滞在していた私が臨時でエルフの哨戒部隊を指揮していたのですが、国境付近で諍いが起きたのです。」
「恐らくお嬢さんが居るのを見てちょっかいでもかけて、その責任をエルフ側に押し付けて何か得ようとでもしたんだろう。何を考えているのやら、、」
「・・今回の件はどちらかというと現場の暴走に近いかと思われます。明らかに練度が低いように感じました。恐らく国直属の兵ではなく貴族の指揮する兵だと思われます。」
「何を目的に、、」王は首を傾げた。しかしサキの姿を見た瞬間に疑問は氷解した。
「成程。美人だからか。」「へっ⁉」
「確かにサキは美人だな。」「おっ王子!恥ずかしいのでやめてください!」
そうして親子はしばし白エルフの少女をからかっていた。が、長々とからかっている暇はなくすぐさま対策を考え始める事となる。
しばし後、王城の会議室にてこの国の上層部、そして自治区より精霊術で通信を行っている白エルフの上層部による会議が始まっていた。議題は勿論王子による国境での争いについてだ。王子の首を差し出すべきという意見もあれば戦争を始めるという過激な意見も出た。
挙げられた意見の大半は王子に責任を取らせるというものだった。王としては勿論認められない。王子はこの国の最大戦力であるしたった一人の息子なのだから。取り敢えず使節団を送ることが決定し、今後の対応を図る為使節団が件の国へ送られることとなった。
その後帰国してきた使節団によると王子が吹き飛ばしたのは件の国の中で主流派ではなくまとめて吹き飛ばしてくれてありがとう!国内固められる!という返事をもらえたようだ。そしてもう一つ使節団は報告を持ち帰ってきたのだが、その内容が問題だった。
その報告によると件の国の王はこの国の王子と件の国の王女との婚約を行いたいそうだった。傍から聞いたらいい話のように感じるが只でさえ警戒されていた現状に小国である『盾の国』とはいえ他の国との婚姻は周りの勢力がどう判断をするか分からない。
夜が更け朝日が指す時間になろうとも会議は紛糾し意見は纏まらず、王に全てが委ねられた。王は興奮のし過ぎで頬を赤らめ歯をむき出しにしている群臣を睥睨し、こう言った。
「ではこういうのはどうだろう。・・大会を開くのだ。『わしの娘は誰がなる‼息子の嫁決定戦!』という名の大会を!」
その場にいた者はみな王が壊れたと思った。王のことを信頼していた王子でさえも、、王を寝室に運ぼうと動き始めた者もいた。しかし、王のしっかりした喋りそして強い力を宿した目を見て考え直した。
王によって述べられたその大会は王子がその力を恐れられているのなら今回の婚約話を奇貨として他の勢力からも婚約を呼び込みそれぞれの勢力から推された者たちを様々な競技で勝負させ、勝ったものを王子の妻とさせるというものだった。
王としてみれば優秀な次期王妃を手に入れると、同時に他の勢力を争わせることが出来てその結束を弱めることが出来る一石二鳥の策であり、他方で婚約を結べた国は強力な戦力の支援を受ける事が出来るようになり、王女の実力を示す事で威信を示す事が出来る為両方に利益がある話である。
どのような種目になるかは大きく揉めたが、この世界に存在する中では最高権力者であり与全者の子でもある運を司る最高神の助けにより大会の体裁は整った。
中略(作者より:どんな大会とかは今回書きません。だって予告編だから!!!めんどくさくなったからじゃないよ!!!)
さて大会はとても盛り上がり大会には多くの神々が訪れたそうだ。一説にはその時生き残っていた9割近い数の神々が訪れたそうだ。多くの神々が星の統治を手放していたことの証左とも取れる。
おっと長くなってしまった。最後に私の名前を記しておこう。私の名前はカインだ。