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喪女 華恵さん  作者: 黒楓
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有休の使い方①

今回は趣向を変えたお話です! (^_-)-☆

 10月になり、年度有休もカウントがリセットされた!

 然しながら、お勤めしている会社はとんでもなくブラックなので……本来なら当然の権利である有休取得もままならない。つまり『忖度せよ! 』と言う事だ。

 と言う訳で……取得が許された限られた有休日数なのだが……その中の1日を今月にさっそく使う事にする!


 何に使うって??


 それは……日本酒の卸問屋『花岡』が開催する、年に一度の『プロの為の大試飲会』に参加する為だ!

 この会は……卸が小売店に行う商談会なので開催日は平日だし、一般の人は入れない。

 私はもちろん()()()なので本来は参加できないのだが……地酒処の大将から仕入れ先の酒販店『桝屋酒店』へ『華ちゃんの舌は一級だから』と言う口添えをして貰って参加する事ができた!


 で、当日!


 私は逸る心を抑えながらスーツ姿に『桝屋酒店』の名札を首から下げ、大将や咲ちゃんと共に会場へ足を踏み入れた。



 ◇◇◇◇◇◇


 本当は利くだけで口に含んだお酒は『ハキ』(専用の容器の名称です)に吐くのだが……もう三口も飲んでしまった!

 この『紗雪の酒』については……


『紗雪の酒』ってどんなお酒?

 裏のラベルを見てみると……製造者 株式会社深山酒造場 杜氏は野口匡亮(能登)と書かれている。


 野口杜氏と言えば……「酒造りの神様」と呼ばれる伝説的な杜氏で……確か超有名な酒蔵『久里姫』の杜氏を引退されたと聞いていたけど……今はこちらの杜氏をなさっているんだ!


 では『紗雪』と言う……女性の様な名前を冠しているのはどういう事なんだろう??

 ああ!『原料米 紗雪錦100%』と書かれている!

 でも……『紗雪錦』って聞いた事のない酒米だ!


 なぜ私がここまでこの酒に拘っているのか??

 それはこのお酒が!

 今回の試飲会で群を抜いて美味しいからだ!!


 百歩譲って語るとしても……ガチのガチで!! 私の好み!!


 そこで“深山酒造場”のブースに立っている若い男女に食らい付いた!


「このお酒!……その馥郁たる香りと舌に複雑に語り掛ける味わい!! ホント! 凄いです!! やはり野口杜氏のお力ですか??」


 この私の言葉に“若い二人”はちょっと驚き、顔を見合わせた。


「あの……なにか失礼を……」と慌てて頭を下げるとお二人は笑顔で応えてくれた。


「いえいえ! そうではないのです! あなたがおっしゃった今のお言葉を私の妻が……弊社の常務ですが……そっくり同じく言った事があるのです!」

 そして私に名刺を差し出した。


 そこには『株式会社深山酒造場 専務取締役 深山雅宗』と書かれてあった。

 それが私と……この『蔵元ご夫婦』との出会いだった。





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