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喪女 華恵さん  作者: 黒楓
11/24

華ちゃんのトランクス

もし記憶力の良い方がいらっしゃったら…


久しぶりに顔を出した私に


バレンタインデーの夜の…ミスディオさんとの顛末についてお尋ねになるかもしれない。


その話は…まだ複雑な進行形なので、ちょっと話せないのだけど…


()()()()()()()の終わりを待つ今この時は…私は焦げた胸にビールを流し込んでいる。


すっかり暑くなったよね。


うん、それじゃ…代わりに私自身の()()()話をするから


あなたが今飲んでいる、酒のアテにでもしてくれ。




最近、ブラトップが浸透してしまって…(くだん)の“脳内エロ中2病のハゲ親父”は『ブラのホック外し』という生きがいを失って、すっかり老け込んだ。


実にいい事なのだが…

ブラトップが…

私がヤツの麦茶に仕込んだ色んなものより、

ヤツにダメージを与えるのには効果的だったのとは…

何とも複雑な気分にさせられる。


まあ、いいんだけどね。


で、そのハゲ親父のセクハラが絶頂期だった頃、

私は“最後までブラのホックを外せなかったカレ”と付き合い始めで…

健気にも他のオスどもには()()()を見られたくなくて事務服(夏服)の下にしっかりTシャツやキャミを着こんでいた。


石焼ビビンバ鍋状態のビルの内壁からはこれでもと言うほどに熱気が放出され、夕方には一夜干しならぬ一昼干し。

ようやく退社時間になって着替えようにも、当時、女子社員は私しかおらず、ロッカーの置かれた部屋はいわゆる倉庫部屋で

部屋の中は書類や伝票や訳の分からない“庶務系”のグッズが異臭と共にうず高く積み上げられていた。


しっかり鍵を締めて陰気に薄暗い蛍光灯の明かりの下、汗だくの体から衣服を引き剝がして、まるでこれからジムにでも行くような恰好に着替える。()()()ってヤツだ。


廊下に出て来ると社畜のオヤジどもから決まって

「華ちゃん! これからジム? 若い子は元気だね。()()()()()()()!」とセクハラの言動の洗礼を受けた。


バカヤロウ! お前らのせいで()()()()既に汗だくだ! これ以上、干乾しになってたまるかい!!

と心の中で悪態をついて表に出る。


もう夕方のはずなのに日傘が役に立たないくらいの強い日差しとアスファルトの照り返しがさらに追い打ちを掛けて私を駅へと追い立てた。



--------------------------------------------------------------------


当時私が住んでいたアパートは1DKで玄関からすぐのところが脱衣室だった。


ドアを開けるなりシューズボックスの上に置いてあるエアコンのリモコン掴んで、なるだけ遠くからエアコンのスイッチを入れ脱衣室へ飛び込み、今度はもう、スッポンポンに脱ぎ捨てて、バッグの中身も含めて洗濯機を回す。

服の“中身”はそのまま浴室へ移動し、頭からバシャバシャシャワーを浴びた。



遮光カーテンを引いていてもアパートの中は1日中熱せられて大変な事になっているし…備え付けの年代物のエアコンは鈍重で、なかなか冷えてはくれない。


なので私は…髪から水が垂れるのでタオルだけは首に掛けていたが…カラダを拭いたそのまんまで浴室の次の間になっているリビングダイニングを缶ビール片手にウロウロするのが常だった。

そんなわけで、一番奥のベッドサイドに鎮座しているテディベアモドキ(間抜けなカレシの間抜けなプレゼントだったが…)はその送り主の100倍以上、私の()()()()()()姿を見ていたのだと思う(笑)


落ち着いて何か食べながらビールを嗜みたい時は、“むき身”のままだと座りが微妙なので“ショーパン”をカラダに直接履いた。その方が“風通し”がいいのだ。


さて、洗濯が上がっても乙女としては(むき身でウロウロしておいてこの言い草だが…)洗濯物を外には干せないので洗濯ラックの上段に据え置いている乾燥機に放り込み、乾燥機NGの物は部屋干しだ。


この頃になるとようやく私は原人から進化して“イヴ”くらいにはなっていた。


ところがです!


その日は地獄のアイロンデー!! 数日間 溜め置いた事務ブラウスにアイロンをかけなければならない!!!


で、まだ…まったくなにも()()()いなかったので

悩んだ。


ショーパンでも暑いかも…


しかしなあ~


さすがにむき身でのアイロン掛けは…


う~ん!!!


ハッ!!


その時、恋人思いのかわいい???華ちゃんは…お泊りに来るカレの為に買って置いたトランクスの事を思い出したのです。

これ、買う時…それなりに恥ずかしかったんだ!! 

ええ!!当時はまだ!! それなりにね

“恥じらい”ってのがあったのよ!


でね、クローゼットの奥に

そう、重ね置かれた“私の”を堀り返して…下に埋めて置いたトランクスを引っ張り出して

履いたのです。


ゆるゆるかと思ったら

意外とキツメで

私、ちょっとだけ落ちたけど


ショーパンより更に短いし

さらっとした綿の肌触りが蒸された肌には心地良くて


私はいつの間にか

胡坐をかきながら


スイスイとアイロン掛けをしていたのさ♪


えっ?!


今は違うよ!


下着だって

サテンシルクだもん。


なに? そうじゃなくて??


“上”の話~?!!


あのね、私は、一応、“女のコ”なんだけど!


“コ”は子供の“子”よ!(キツネ)じゃないわよ!


え~!!!


佐藤ちゃん!ビールをジョッキで!

ジョッキないの??

置いといてよ!


じゃあ一番大きなタンブラーでいいわ!


これ、()()()()ツケておいてね。


乙女の告白なんだから、このくらいの価値はあるでしょ?


…っと


“上”はね。

ミスディオさんみたいにはいかないけど…


アイロンを行き来させるたびに

自由に動いていたよ


エロい?


あ、そう!

アリガト


その酒の

アテになったでしょ!





。。。。。


イラストです。




華恵さんの今の通勤服



挿絵(By みてみん)



7/21追加


“当時”の華ちゃん


挿絵(By みてみん)


なんとなく今ドキのドラマを検索していたら華ちゃんを見つけてしまったのです。いかにも私が頭の中に描いていたイメージにピッタリ!!(もちろん下品、エロ以外、ですが)。

そっか!華ちゃんってこんな美人さんだったんだ。


じゃあ、多少はっちゃても大丈夫だね!


ありがとうございます。画面の向こうの『かわいらしい大女優様』<m(__)m>

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― 新着の感想 ―
誰だろう?? あとがきの大女優さんに、なんか全てを持って行かれた感があって・・・ 誰だろう??
[良い点] むき身の華ちゃん、それからトランクス一枚の華ちゃん、ドキドキしました♡ アイロン掛け、自由に動く…… さては巨乳だな! 火傷しなかったかしら。 気をつけてねって白肌を思い浮かべました。…
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