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ダンジョンに召喚されました

作者: 広野狼

まあ、たまには召喚するダンジョンとかあっても良いんじゃないかなって。



 世の中には、多々理不尽はあるものの、ここまでの理不尽はそうそうないのではなかろうかと、己の不幸を頭を抱えながら嘆く。

 「元気出してください。マスター」

召喚ものの話は良くあれど、ダンジョンに召喚された奴は、そうそうないのではないか。と言うか、ダンジョンに召喚されるって言葉からして可笑しいよなっ。

だいたい、よくある話なら、召喚された先がダンジョンで、ダンジョンマスターになったとか、気が付いたらダンジョンで、なんか分からないまま、ダンジョンマスターにならざるを得なかったとか、そういう成り行き系はある気がするが。

 「ダンジョンそのものが、魔法陣描いて、マスター呼び出すとか、ないだろっ」

 「ないと言われても、現実にあったことなので、あきらめてください」

申し訳なさそうな声がするが、ただいま俺にあわせた端末を制作中とのことなので、対話できるような物体はない。

空中に向かって話しかけている危ない人にしか見えないので、なるべく早く何か物体が欲しいところでもあるが、それができると、なし崩しにマスター確定のような気がしていやだ。

いや、召喚された時点でダンジョンマスターらしいんだけど。俺はまだ認めてない。いや、認めたくない。

 「いや、だいたい、召喚=ダンジョンマスターとかないだろ」

 「でも、マスターがほしくて召喚したので、召喚したら即マスターは当たり前かと」

 「理不尽っ」

確認もなく、呼び出された瞬間、マスターなもんだから、拒否権もなかった。

せめて、確認くらいしても良いんじゃないか。普通は、意思確認があってしかるべきだよな。

いやでも、勇者召喚も、別に意思確認して、嫌なら来なくて良いですとか言うパターンを聞いたことがないので、基本的に召喚は、その役職に当てはめる為にやっているってことなりか?

はた迷惑。とりあえず、召喚陣には、意思確認要項を盛り込むべき。いや、もう俺の後には意味が無いから、このままで良いかって思うやつが多くて、改善されていないのか。

ならば俺は、後のために召喚陣の改良を声高に叫ぶべきか。

いや、勇者とか言われる高潔そうなやつですら、そういうことに着手してないってことは、もしかして、召喚陣の改良って、出来ないのか。技術的に。

それよりもなによりもだ。

 「こんな理不尽な目に遭わされて、もう家にも帰れないとか」

 「え? 帰れますよ? やだな、マスター。マスターにはなってほしいですが、世界から誘拐とかしないですよ」

 「帰れる、の?」

 「はい」

こんな薄暗い中で、一生をこれから過ごさなければならないのかと思うと、実に憂鬱だったが、帰れるのなら問題ない。

帰ったら、ここのことなど忘れて暮らすんだ。

夢と思って忘れるのが一番だ。いや、たぶんおそらくこれは夢なんだよ。うんうん。

 「あ。でも、定期的に来てくださいね。コアを壊されちゃうとマスターも死んじゃうので」

 「え?」

 「コアとマスターの命は繋がってるので、コアが壊れるとマスターも死にますから、定期的に来て、コアを壊されないように、ダンジョンを作り替える必要があります」

なんてことないように言われたが、ものすごくひどいこと言われた気がする。

 「ちょっと待て。俺はもしかして、お前に命を握られてるってことか?」

 「やだなー。一蓮托生ですっ」

諸共死ぬと明るい声で言われたが、ダンジョンはダンジョンコアと死ぬのは当たり前だろうが、マスターに強制的にされなければ、少なくとも俺は死ななかった。

俺の死を確定させたのは、少なくとも、この召喚陣を描いたやつ、こと、ダンジョンですよね?

 「まあまあ、別に、ダンジョンに入った人間は片っ端から殺す的なダンジョンにしなくても良いので、マスターの世界感的にも、精神衛生的にも優しいダンジョンですよ」

 「それとっとと攻略されて、コア壊される落ちの付くやつだろ」

 「そういう事例が多いことも否めませんね」

やけに明るく答えてくれるが、暗雲立ちこめる話だ。適度に殺し、適度に生かすって、どこの戦国武将なんだろうか。

 「コアを俺の世界に持って行ければなあ」

 「持ってはいけますが、マスターの世界では、維持が出来ませんからねえ。マスターの世界にはマナがないですから」

維持が出来なければ、そのまま死ぬわけだが、いやちょっと待て、維持が出来れば問題ないような感じじゃないか。

 「マナ問題が解決できれば、俺の世界にも持ってけるってことかっ」

 「まあ、解決できれば、ですが」

 「よし、とりあえず、お前の姿に関して、注文する」

いつでも持ってて良かったスマートフォン。手に持っていたそれをダンジョンに見えるように掲げて。

 「これ、これと同じ大きさと外見で頼む。機能とかも一緒に出来るんだったら、一緒にして欲しいけど、無理なら、上っ面だけで十分だ」

スマートフォンと同じような姿になってて貰えれば、街中でダンジョンと話すのも楽。不審者にもならないし。

 「解析しても良いですか?」

 「おう」

許可を出すと、ぬるりと何かか伸びてきて、スマートフォンを持って行かれる。

気持ち悪い。感触とかはなかったから、そう言う意味では気持ち悪くないが、唐突に何かがみにょんと伸びてくるってのが気持ち悪い。

生理的に受け付けない感じの気持ち悪さ。

 「うーん。よく分かんないですね。これ、何が出来るんですか?」

 「遠方と会話したり、ネットっていうものにアクセスして、色々な情報を閲覧したりが、主かな」

まあ、俺の主な使い方は、ゲームだけど、それをダンジョンに教えても意味が無い。

いや、ちょっと待て。

アトラクション的な意味で使えば、いけるのでは。

 「なーなー。ダンジョンって、街中にも作れんの? いや、むしろダンジョンで街って作れんの?」

ダンジョン維持のために何が必要なのかも問題だけど、ダンジョンっぽい街を作って、人を住まわせちゃえば、それが回収できるのであれば、わざわざ人が死ぬようなダンジョンを作る必要も無い。

 「え? ダンジョンで街作るとか、頭可笑しいです。マスター」

 「その頭可笑しいのを、わざわざ召喚までしてマスターにしたお前に言われたくないわっ。で、出来るのか出来ないのか簡潔に」

俺がなりたいって言ったわけじゃないってのを前面に押し出したところ、さすがに黙ったな。

 「まあ、そう言う形のダンジョンを作るのは出来なくはないですよ。問題はダンジョン作るために必要な物が足りないことですね」

 「お前は、死ぬために存在してるのか?」

ダンジョンって、もしかして、自殺願望高い系なのか? だいたい、出来てすぐ、マスターを召喚とかしちゃうあたりで、こいつそのものがバグなんじゃないのか?

 「そうならないように、そうならないための知恵を持ってる人間を召喚したんですよ。マスター」

 「なら、俺を頭可笑しい扱いする前に、それをやるために必要なコストとかを数値化すんのがお前の仕事じゃないの?」

だいたい、マスター初心者どころか、ダンジョン構造そのものをよく分かってないずぶの素人を呼んどいて、頭可笑しい扱いからして可笑しいよな。

 「そうですけれどもー。街中にダンジョン湧いたら、パニックになるでしょう。それに、すぐに壊されてお終いじゃないですか」

いじけたような声に、通常の常識で言えば確かにそうなるだろうな。でも、俺からしてみれば、この世界の常識とか、全く知らないし。知らないものに対して、準じることはないって、断言できる。

 「まあ、それがこっちの常識だってのは理解した。で、出来るんだったら、何がどれだけ必要?」

 「そうですね。効率的な回収を考えるなら、殺しまくる方が現実的です。あくまで、コスト面でって意味ですから、それ以上の意味は考えないでください。で、次に、いっぱいの人が居ること。人の放出しているマナも吸収が出来るので、人が居るだけでもマナ回収は出来ます。でも、十とか二十とかじゃなく、都市単位です。そのくらいの人が居ないと、コスト的に割に合いません。ちなみに、放って置いても、マナ回収は出来るので、ダンジョンは、コアを地中深くに隠して、百年単位でじっとしてることが多いです。それである程度マナが溜まれば、ダンジョンを作成できます」

 「ちょっと待って、俺をマスターにする必要性が感じられなかったんだけど。なんで、お前は休眠しなかったの?」

 「私だって、地中で休眠してました。このままじっとしていれば、問題ないはずだったんですけど、私の上で、戦争を起こしたらしく、それは、マナ吸収が出来て良かったんですけど、なんか、互いに引くに引けないとこまできちゃったらしく、私の理解できない兵器を使って、ここいら一帯のマナを完全に枯渇させてくれたんですよ」

百害あって一利なしだな。取られるくらいなら的な発想するやつがいたんだろうけど。て事はこの上は、不毛の地か。

 「マナがなければ、死滅するしかないから、一か八かで俺を召喚することにしたってことか」

聞いてると、自殺願望はなさそうだから、死にたくないから手段を講じたってことなんだろう。溺れる者の掴む藁にはなりたくなかった。どう考えても一緒に沈む未来しか見えない。

 「そういうことです。で、話を戻しますが、戦争で人を殺しまくるくらいの勢いで、人を殺す、もしくは都市単位で、人が居る状態であれば、十日もあれば、それなりのダンジョンが作れます」

 「それなり、の基準が分からない」

 「そうですね。単純な迷路構造で、三階くらいの深さ。そして、角を曲がると、まれに敵に出会う。子供の小遣い程度の金銭と、まれにアイテムが落ちる程度の収入があるダンジョンですかね」

 「それは、ダンジョン的には収支が見合わない気が素人の俺でもする」

 「ええ。作るだけ無駄です」

とりあえず、三階程度のダンジョンを作るには、都市単位の人間のマナが必要で、少なくとも十日かかると。

 「その理想値より少なければ、それだけ日数が嵩むってことで良いんだろ?」

 「はい」

 「後は、マナって、放置してても回収できるなら、別にダンジョンの形に拘んなくても良いんじゃないか? コア持って、旅するとか」

 「コアを移動するように設定できるのは、ダンジョンができあがってからの話ですね」

 「設置したい場所に移動は?」

 「一度だけなら可能です」

 「意外に設定が厳しいな」

 「もともとダンジョンなんて、殺してなんぼの設置型ですからね」

 「固定罠かー。そうだな。ダンジョンって、そう言うもんだな。口開けて、獲物が落っこちてくるのを辛抱強く待ってる感じだよな」

しかし、一度なら移動が出来るって言うことは分かった。

どこかの町に移動ができればいいんだが、問題は。

 「なあ、俺ってお前のある世界で、認知されてんの? 所謂戸籍とかそう言う意味で」

 「……ない、ですね」

 「それって、俺はどうやって町に入れば良いのかな」

 「さあ?」

設置固定型罠にたずねたのが、愚かだった。究極引きこもり罠が知ってるわけがないよな。ずっとここでマナ蓄えるのに寝てたわけだし。まあ、上の喧騒は知ってたみたいだけど。

 「先ずはその辺の情報収集からか。元いた世界に帰れるくらいだから、俺が外に出ることは出来るんだよな?」

 「それは可能です。その間、コアが無防備にはなりますが、現在ダンジョンも作成していないため、コアに通じる道も発生していないので、普通に考えれば破壊される心配はありません」

 「そいや、ダンジョン作成してないって言うけど、この空間はダンジョンじゃないのか?」

 「この空間は、ダンジョン作成の前段階である、ダンジョンコアの設置場所を作るための部屋です」

 「ギリ、ダンジョンを作ってない状況ってことか」

 「はい」

俺の世界にダンジョンを作って、枯渇しない程度にこっちでマナ回収するってのも考えたが、おそらく現実的じゃない。

ダンジョンでマナ回収をしないのは、おそらくダンジョンとして成立しないだろう。

 「そう言えば、俺にマナはあるのか?」

 「召喚されたこの世界では、マスターにも、マナはありますが、マスターの世界に戻ったときに、マナがあるかは、分かりません」

 「それもそうか。まあ、とりあえず、なんかよさげなものを考えるか」

どう考えても、俺の性格上殺人罠を作れるはずもない。いや、ゲームなんかを参考にすれば、作れるには作れるけど、作れるのと、罪悪感を感じないはイコールじゃない。

そんなわけで、俺は早急に、何を作るかの計画を立て、マナを回収する術を考え出す必要がある。

もたもたしてると、ダンジョンに勝手される可能性が高すぎて、放置は出来ないのが真実なんだけどもな。




  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※




 結果、俺は、俺がここでマナを消費することにした。

いやだって、人を殺すダンジョンなんて作りたくないし、作れない。いや、作れないってのも正しくない。作ったらおそらく、元の世界に戻って生活できなくなる。倫理観とかそういうので。

そんなわけで、作れない以上、この状態でダンジョンを作成すれば、己の命が危うくなる。

その考えた末が、出張充電だった。

家に帰って、戻ってきてはコアにマナを注入してを繰り返すこと一年。

その間に、町に出入りできる伝を作り、町で致し方なく、奴隷を買う。いや、だって、ダンジョンの従業員として、普通の人を雇うわけにもいかなかったんだよ。

今日から職場はダンジョンです。なんて言えるわけないし、俺のことも説明できない。

だって、俺の世界とこの世界とを行き来してるんだからな。なるべく隠してはいるけど、見付かったら、言い訳できないし、口止めのために殺すとか効率も悪いし、まずなにより、殺したくない。

そうなると、契約で縛られている奴隷が一番使い勝手が良かった。使い勝手なんて言ってるあたりで俺も大分毒されてるな。切ない。俺の常識が軋み上がる音がする気がしてならない。

そんなこんなで少しずつ、この世界に自分の居場所っぽいものを作りつつ、奴隷達にも一応、怪しまれない程度で、増築を繰り返したつもりだけど、やっぱり、人が居ないのに、じわじわ増築してんのは、奇妙だと思われていたらしいとは、最近知った事実だ。

しかし、この世界には、魔法があるので、魔法でやっているんだと押し切っている。

 「闘技場って」

指定した、スマホ型のダンジョン端末が、力ない声を上げている。まあ、端末作ってみたものの、俺の世界を連れ回すことが出来るってだけで、会話は、念話でできるらしく、独り言回避は意味なかったっぽい。

しかし、機動力があれば、勝手に何かしら、やらかしていたのではないかと、この様子に不安になり、本当人型にしなくて良かったと、今は心の底から思う。

 「いや、俺的には、練習場なんだけどな」

 「マスター。私はこれをダンジョンと認めたくない」

駄々っ子のような声に、俺は、いつも通りの答えをかえしてやる。このやり取り、いい加減飽きないのかなと思うが、まあ、被害被るのは俺だけなので、付き合ってやっている。

これで、気が済むのであれば安いものだ。いい加減しつこいし、飽きては来てるが。まあ、子守も業務内容と割り切ろう。

 「その辺りの矜持は、俺を召喚したときに捨てておくべきだったな。だいたい、戦争も知らない現代っ子に、人殺しのダンジョンとか作らせようってのが間違ってんだよ」

最初から、人を殺すようなダンジョンは、気が進まない態度でいた俺が、どうして、世にあるような、人が死ぬかも知れないダンジョンを作ると思っていたのかかが、甚だ疑問だ。

もしかして、今までダンジョンが召喚したマスターは、全く恐れもなく人殺しのダンジョンを作り続けていたんだろうか。

それはそれで闇を感じるな。

とはいえ、俺は一貫して態度を変えていないので、そろそろダンジョンのが、諦めるべきだと思うんだよな。

 「だいたいさ、ダンジョンって考えるから、矜持なんか持っちまうんだ。お食事するための場を整えた。それで十分だろ」

 「食事の形態と、形状に文句付けたいのを矜持のひと言で済まされる屈辱」

 「それを屈辱って感じてるあたりで、ダンジョンって形に拘ってるってことだよ。突き詰めれば、マナ食えれば良いんだろ。そんでもって。死ななきゃ良いんだから、これ以上無いだろ」

そう。闘技場、練習場。なんと言っても構わないが、このダンジョンもどき、恐ろしいことに攻略法がないのだ。何をすればこれを攻略したと言えるのかの定義がないから。

考えて作り出したときには、俺も想像してなかった。まさかの難攻不落ダンジョンになっているとは。

いやだって、練習場だから、フロアボスとか居ないし。一階層だけで、後はオープンスペースの観客席なので、階層概念がない。

1階フロアのオプションなのだ。この観客席。

そうなると、下にも上にもなにもないこの練習場、攻略したとしても進む先がないため、攻略という概念が存在しなくなっていたという落ちが付いた。

いや、ダンジョンマスターの俺を倒せば、ダンジョンを破壊は出来るが、普通に考えれば、お店のオーナーにケンカふっかける人間は、少ない。

全く居ないとは言わないけど、まあ、普通、まず真っ先に経営者を殺そうって考えて近付くやつは少ないだろう。

その前にやるのは乗っ取りだ。まあ、乗っ取りたいなら乗っ取ってくれても良いんだけど、それすなわち俺が死ぬので、許可できない。ダンジョンの譲渡だけを出来るのであれば、喜んで譲渡するよ。

契約書一枚で円満譲渡出来るなら喜んでやるさ。

問題はマスター止めたら元の世界に戻れるのかも怪しいので、その辺りでも、ちょっと考えちゃうわけだが。

なんでダンジョンはマスターを選べるのに、マスターはマスターを譲渡できないのか。実に理不尽。

とにかく、ダンジョンの機能を使って、練習場内は、多少の傷の治りは早くしているけど、死なないわけではないので、事故は多少起こっている。なんか、ホラーによくある、血を啜る屋敷みたいな感じで、実はぞっとするんだが、その辺りは、気にしないよう。

なによりもだ。近々、この練習場を使って、トーナメントを開いてくれるらしい。

たまの練習で使ってくれているのとは人の規模が変わる。

出店だって作れるし、観客が今以上に入るし、今までにないマナの回収が見込める。これが上手く定期的とかになると、爆上がりになるんだよ。

ここまで来たら、ダンジョンにだって文句言せない。あいつ、変わらず口開けてれば、マナ回収出来るわけだし、一般的なダンジョンやるより安全大漁なんたから。

これで文句言うなら、何かしらのお仕置きを考えよう。

さらに、入場の収入の何割かをくれるとのことだったので、人死にしないように多少手心を加えようかと思っている。

治りが良すぎるとばれるので、治癒系特化のモンスター呼び出すとかその当たりで。

いや、新しい練習場の機能で、死なないように設定出来るようになりましたとか、ある程度したら言ってみるのもありかな。

まあ、別オプションで、だけど。

日々、ダンジョンの文句が少々うざいが、なんとか恙無くダンジョン経営が出来ていて、俺としては、良かったと思っている。

けれども、俺はこのとき、重大なことを見落としていた。

これはダンジョンで、ダンジョンコアがあって、ダンジョンが死ぬってことは、コアの破壊なわけで。

それが起こらないってことは、すなわち俺も死なないんだってことに。

鈍い俺がそのことに気が付いたのは、現実世界で、いつまで経っても変わらないよなと、言われたときだったとか。

それが、もう二十年も経った頃だったとかするわけで。

迂闊な俺をダンジョンは、してやったりとばかりに笑い飛ばし、俺は老いない外見をどうしたものかと、今後のことを考えて、ダンジョン運営よりも、頭を悩ますことになるのだった。


意外に図太く生きる主人公は、きっとなるべくしてダンジョンマスターになったのだ。

とか言ってみる。

ダンジョンマスターになったことより、不老不死より、変わらない外見をどうするかに頭を悩ますあたりで、大分ズレているのではないかと思われるだろうが、迂闊なので、まだ、不老には気が付いているが本当の意味で不死であることに気が付いていないだけ。(笑)


前回は、久々に主人公に名前があったのに、またしても名前出て来ない話になってます。

登場人物少ないと、名前って、意外と呼ばないんですよね。

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