第六話
「失礼したわぁ、ちと寝不足でねぇ」
「それならいつも寝不足になってしまいます杏さん、寝癖ついてますよ」
「ありゃ、それじゃぁ今後気をつけるわ」
本当に5分で杏会長は起きた、決して分身ではないが。………とうより制服が乱れてます杏会長、主に暁が凝視してます。
それに寝癖ついていたのはアリスさんも同じだ、決してそんなことは口に出しはしない、死ぬ可能性が上昇する。
つか杏会長は生徒会長というだけ硬い人間かと思っていたが、どうやらかなり柔らかそうだ、心身ともに………。
「それで、俺達は何のために呼ばれたんですか?」
「何? アリス話してないん?」
「直々に話してください、面倒なので」
話はどうやら長くなるらしい、自分で話すのが面倒な程とは聞くこちらも面倒になる可能性がある。
現にもう既に御影が飽きてきたのかきょろきょろと周りを見回している、暁もおもいっきり欠伸をしている。凝視すら飽きたか。
生徒会長の前なのだからもう少し落ち着いて問題児ではないところをアピールしてほしい……。
「別に面倒なほどじゃないと思うんやけどねぇ」
「とりあえず、話してもらえませんか?」
「簡単やよ、私の元でちょっと雑務こなして欲しいんよ」
「雑務?」
「杏さん……いくらなんでも端折りすぎです」
雑務? つかそれは生徒会員がやるべきじゃないか?
「しゃーない詳しく説明すると、能力者が引き起こす事件は少なく無いってのはしっとるよね?」
「ええ、まぁ」
「それを同じ能力者である私達に捕まえたり成敗したりして欲しいって依頼が国からきとるわけよ」
「私達に警官まがいの事をしろって事ですかァ?」
御影が察したとうりだと俺も思うが、何故俺達なのだろうか? 荒事に慣れてると思われたか?
もしもそうなら、直ちに俺以外が荒事になれているのですと訂正しなければいけない。
「まぁそういうこった、もち報奨金とかもでるから安心しいや」
「報奨金?」
御影の目の色が変わった、金が絡むとすぐこうだ……、この調子だと軽く引き受けてしまいそうだが、
わざわざ荒事に巻き込まれるなんて失態俺が許すはずが無い。
「失礼ですが、おことわ」
「――もちろんやりますとも会長、そのたわわな胸に誓い、必ずやこの地区の治安を守って見せます」
おい……、俺の言葉にすぐさま被せてきたのは暁だ、似非関西語が完璧に失われているぞ。
そしていつまで会長の豊満な胸を凝視している気だ?
「いえ、コイツの言ったの事は冗談です、お断りいたします」
「ありがとなぁ〜、引き受けてくれてぇ、人手足りなくて困ってたんよぉ〜」
「あの? 人の話聞いてますか?」
「ありがとうございます紅花さん、引く受けて下さって」
「いや、だか」
「――引き受けてくださってありがとうございます」
強引ですねアリスさん……、もうそんな殺気の篭った目で見ないでください、そろそろ限界です………。
御影は金が絡んだ時点でやる気だ、暁も完璧にやる気だ、アリスさんは俺を殺る気だ。
あぁ……逃げ場なしかぁ…………。
「解りました……、力になれるかわからないですけどやります」
「ありがとねぇ」
「でも何で俺達なんですか?」
そこが謎だ、治安を維持するというより治安を壊す方が得意な御影と暁だ、スカウトするより注意する方があってる。
もちろん俺は治安を壊すなんて事絶対にしないと、信じている。
「簡単やよ、強いやん、御影ちゃんも暁君も幸也君もそのことに関しては解ってるでしょ?」
「まぁ……はい」
御影も暁も俺も今までに荒事に巻き込まれてきたせいでそれなりに腕っ節には自信がある。
というか、腕っ節に自信が無いとダメみたいな感じだが、やはり能力者同士の戦闘が主なのだろうか……?
「捕まえる際に戦闘になることなんて日常茶飯事やから、なるべく強く無いといけへんのよ」
「用は、強くて良く働いてくれる人材が欲しいんです」
「良く働くは別として強さは自信あるからねぇ、なぁ幸やん」
「早々、ちゃんと幸也君の能力も把握してるから、強く無いなんて言い訳聞けへんからね」
そうですかと呟き、俺は諦める、なに、軽いバイトだと思えばいい、戦うのは御影と暁に任せれば問題は無い。
能力はやはりばれているのか、入試時に能力試された時には適当に他の人の能力を使ったんだが、バレていたか。
「ちなみに、後一人、一年生で一緒に働いてくれる人が居ますが後で紹介しますね、ちなみに私も働きます」
「アリスともう一人の子は入学前からこの仕事やる事が決まってたから、説明はいらんね
あぁ、それと仕事中はこれつけてな」
杏会長から手渡されたのは校章の入った腕章、更に生徒会員と書いてある。
「あの」
「――単純に言えば生徒会にご入会ありがとうって事や、お仕事は生徒委員にしか回せんのや」
「入会おめでとうございます」
詐欺だ、間違いなく詐欺だ。
「ねぇねぇかっこよくない?」
早速御影がつけて騒いでいる、時折羨ましくなるよその単純な思考回路が。
暁もつけてなんかポーズとってるし……、あぁもう決定事項なんだな。
「やるからにはしっかりやりますが、無茶はしませんから」
「なに、強い敵さんと出会ったら無茶してでも捕まえて来る? いい心がけやなぁ」
ダメだ、この人は全く人の話を聞いていない。
迂闊だったか……もっと抵抗するべきだった………。
いや、決まったことを後悔している場合じゃない、此処から現状を良くしていかなければ。
(まぁ、御影とかも乗り気だし多少はがんばるか)
ちなみに残りの授業も面倒だったの一日中今日は生徒会室でだらだらしていることにした俺達。
別に生徒会室が気に入ったわけじゃないんだ、きっと………。




