第五話
「入学二日目からサボりか……」
俺と御影達は学校裏に座っている。すぐに見つかるんじゃないかと思ったが、屋上などには既に先客が居た。
サボりが多い高校だろうとは思っていたが、空き教室なども普通に先客が居たのは流石に驚いた。
これなら後で面倒なことにもならないだろう。
「サボりたさそうにしてたのは幸也なんだから、今更どうでもいいこと言うな」
「そうなんだけどさぁ……」
「まぁまぁ幸やん、どうせあの状況じゃ授業なんて聞いて無いんだからいいやないか」
アリスさんがあの状態では確かに授業など聞いていられない。
集中しようとしても不機嫌オーラで完璧に集中が切れてしまう。
「にしても、学校裏も悪くはないね」
「そっか? まぁ悪くは無いかもな、良くも無いだろうけど」
「住めば都や幸やん」
「いや、すまねえから……」
「――ちょっと黙って」
他愛も無い話をしていると、急に御影が臨戦状態に入る。
それにつられて俺と暁も身構える。
ガサ、ガサと近くの茂みでかすかな音を聞き取った瞬間、御影が音の方向に瞬時に移動する。
「キャー!」
甲高い悲鳴、御影かと思い俺も茂みに向かおうとするが、ゆっくりと何者かを捕まえた御影が出てきた。
俺は御影が捕獲した人物を見て驚く。
「はなしてー!」
「何でこんな小さい子が学園に………?」
御影が捕まえてきた人物は、小学生であろう少女、学園は高校生のみなハズだが何処から進入した?
いいや、それよりも何か頭に引っかかってることがあるような……。
「ねぇ幸也、この子ってこの間助けた子じゃない?」
「え?」
御影に腕をつかまれながらも必死に逃げようと抵抗している少女はそれを聞いてこちらの方向を見る。
俺も少女の顔をじっと見て見ると、確かに助けた少女だった。
少女は俺がこの間の人物だと理解したのか抵抗を止めて、こちらによってくる。
「お兄さん、また会いましたね」
「俺は何故、学園で会うことになったのか疑問だ、何で学園に居る?」
というか、こんな小さい子でも簡単に忍び込めるほどこの学校は緩いのだろうか?
まぁ、この学校に忍び込もう何て普通の人間は絶対にしないと思うが。
「えっと……、お姉ちゃんに会いに来たの」
「お姉ちゃん? えーと名前は?」
「羽賀 杏ですね」
「――え?」
急に今までに無い声を聞いて後ろを振り返る、そこには授業中であるはずのアリスさんが立っていた。
不機嫌オーラはそのま――先ほどよりも増している。明らかに怒っている。
「何でアリスさんが此処に? というか何でこの子のお姉さんの名前を即答?」
「あー! アリスだぁ!」
少女はアリスを見つけると駆け寄っていく、どうやら知り合いのようだが、お姉さんとも知り合いだろうか?
羽賀 杏って言う名前は何処かで聞いた気もするからもしかしたらクラスメイトか何かか?
「まさか杏さんに会いに来たんですか凛?」
「うん♪」
「そうですか、では丁度いい事に幸也さんたち三人も居ることですし少し、杏さんの所に行きましょうか」
「えーと……アリスさんと凛ちゃんとそのお姉さんが知り合いっぽいのはわかったんだけど何で此処にアリスさんが?」
「あぁ、説明してませんでしたね」
「それと、杏会長の元に俺らもついていく理由も一緒に教えてくれへんか?」
杏会長……? ――会長!? アレ? どっかで聞いたことがあると思ったら生徒会長殿でしたか?
俺はゆっくりと御影の方を向く、御影も俺のほうを向いていて、目が合った瞬間にあらぬ方向に視線を飛ばした。
(よし……コイツも知らなかったな)
少なくとも仲間が居て助かった。
「そうですね………両方一度に説明しましょうか」
「お願いします」
「まずは私が此処に来た理由から説明します、まぁ至極簡単な事なのですが………」
それから少しアリスさんが理由を話しおおよその理由が解った、どうやらサボった俺達を
授業を受けても受けなくともさほど代わりがないアリスさんが探しに行けと先生から指令を出されたらしい。
不機嫌な状態のアリスさんを更に面倒な事をさせてしまって更に不機嫌にしていまい、かなりの恐怖を今俺は感じている。
「もう一つ、杏さんとあわせる理由は本人が説明してくれると思うので、そこで本人から聞いてください」
「えー、此処で教えてくれればいいじゃん」
「どうせ授業に出ないなら時間を効率よく使ってください、此処で説明するよりも直接あって話して
結論を出してもらったほうが圧倒的に効率的です」
「とういうか、杏会長は今授業中なのでは?」
「それなら問題ありません、どうせ生徒会室で惰眠を貪っているはずですから」
生徒会長なのにサボって寝ているのか………、いやアリスさんのように授業を受けても受けなくても
変わらないという考えでさほど問題視されていなくて、自由にできるのか?
「それでは行きましょう」
俺達と凛ちゃんはアリスさんに連れられて生徒会室に向かった。
生徒会室♪と書いてある教室まではさほど時間が掛からなかった。
「なぁ幸やん、俺は生徒会室の様なところにきていい思いをした事が無いんよ」
「俺もだ暁、いい思い出なんてあるはずが無い」
「私もだよ………逃げていい?」
そんなの無理だ、アリスさんが明らかに不機嫌である以上、これ以上不機嫌にしてしまうと
どうなるか解らない、もしかしたら何も起きないかもしれないが、付き合いが浅い以上どうなるか検討がつかない。
「失礼します」
ノックもなしにいきなり生徒会室に入るアリスさん、それに続いて覚悟を決めた俺達が入る、遅れて凛ちゃんも。
「……………」
――生徒会室はただのごみ置き場だったらしい、そう思わせるほどお菓子や雑誌などが一面に散らばっている。
普通に考えて生徒会室ではない、だって明らかに個人部屋みたいな感じだし、ベッドまであるし………。
そのベッドで人が寝ているが、寝ている人物が話による杏会長なのだろう。
「杏さん、起きてください、妹と例の三人組が来てます」
「………後5分寝かせてアリス、そうしたらたぶん私の分身が出てきて世界平和を成してくれるわ……………」
(………本当に生徒会長だろうか?)
必死にアリスさんが起こそうとしているが杏会長は全く起きる様子を見せない。
とうとう諦めたのがアリスさんがこちらに向かってきた。
「杏さんがお起きにならないので少し待っていてください、そこら辺で適当に寛いでいてください」
「うい……」
普段だったらえ〜とか御影が言うところだろうが、会長が起きないことによって余計ストレスがたまったのか
よりアリスさんが不機嫌になっている………。死亡フラグでも立ってしまうのだろうか?




