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第二十話

 眠っていた意識が覚醒し、俺は目を覚ました。

あたりを見回す限りどうやら病院の個室の一つの様だ。

俺は顔や体中をぺたぺたと触る。


(生きてるよな?)


 敵の前で意識をなくし、無防備を晒してしまったにかかわらず生きている。

安堵感を覚えるもすぐさま、あの男の圧倒的な力に恐怖を覚える。

 人数では勝っていたのにあっさりとやられた、そう―――何もできずに。


「起きたんか」


 急にドアが開いたかと思うと杏会長が入ってきた。

その後ろに剣やアリスなどのメンバーがついてきている。


「えぇまぁ、どれくらい寝てました?」

「丸々二日くらいやな」


 二日……確かにそれだけ寝ていれば能力を使用したときの反動も消えているわけだ。

体は軽いが、心が重い。


「……状況は?」

「全く改善しとらん、まじめに危ういわ」

「そういえば……助けてくれたのは会長ですか?」


 意識を失いかけたときに見た少女、多分その子のおかげで生きているのだろう。

ならお礼を言わなければならない。


「私やけど私や無いよ」

「どういう意味ですか?」

「そういう能力ってことや」


 二重人格系だろうか? 問い詰めるのもまずいと思いありがとうございましたとだけいい、後は黙る。

アリスがこちらを不満そうに見ていると思うとゆっくりと近づいてきた。


「会長が助けに来なければ死んでいましたよ?」

「そう……だな」

「約束破るつもりだったんですか?」

「………すまん」


 これに関しては弁解の余地が無い、無謀な約束をしたといまさら思っても全く無意味だ。

謝って許してくれるかどうかはわからないが、言わないよりはましだろう。


「今度からは守ってくださいね」


 あっさりと引いたアリスに驚きながら、俺は了解といい、今後気をつけようと思った。


「これからどうします?」


 自然と口から出たのはこれだった、不安が完全に現れている。


「たおさんきゃならんのよ、あの男をね」

「勝てるの?」


 珍しく弱音を吐いたのは御影だった、不安そうに下を向いている。

後ろに居る剣や暁たちも不安そうだ。俺だって不安だ。


「勝たなきゃならんのよね、私らの仕事やし」

「会長は俺を助けたときどうしたんですか?」

「あぁ、私の能力はもう当てにならんよ、一発限りのみたいなもんやから」


 唯一対抗できたらしい会長もこれで戦力外、俺も負けているし他のメンバーでもだめだろう。

暁の能力も多分発動できない。


「頼りは幸也やね」

「俺……ですか?」

「戦闘能力ではトップクラスやからね、それでも太刀打ちできんみたいやけど……」

「えぇ……あいつの強さはおかしいです」


 能力者であることが驚きであるのに、能力者以上の身体能力を誇っている。

明らかに異質、部下達に暴君と言われるだけはある。

 それだけ絶対的で圧倒的である。


「降りたいのなら降りてください」


 不安そうにしているメンバーにアリスが言う、逃げたいのなら逃げろと言っている。

誰か他の人が倒してくれると信じて? 尻尾を巻いて逃げるのか?


「降りるはず無いじゃない!」


 颯爽と反発したのは御影だった、完全に先ほどの不安は消し飛んでいる、暁はそれを見て

降りようなどと考えるのをやめたようだ。

 剣もまた御影につられている。

そして俺もまた、逃げるわけには行かない、手伝うと勝手ながらにも誓っているのだから。


「それじゃぁ今日も調査しよか」


 病室を出て行くメンバーに俺はベッドから降りてついてく。

倒さなければいけない、多分、俺にしかできないのだから。

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