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第十八話

「今はちと人数不足で走りまわっとるわけやん」

「そうだな」

「その人数不足を一気に解決するすべがあるんよ」


 ほほぅ……それはそれは大変すばらしい案だなと俺は言うが、内心余り期待できなくなっている。

暁の野郎が、にへら顔でこちらを向いているため全く信用ができない。


「………で? どうするんだ?」

「簡単やよ、そこら辺の奴を適当に捕まえればいいやん」

「いやいや! んなことして犯人に出くわして襲われたら無意味じゃねえか!」

「能力者を捕まえればいいんよ」

「どうやって協力を仰ぐんだ?」

「そりゃぁ………暴力?」

「お前の脳内がまともじゃないことを考慮して話す必要があるな」


 やはりまともな意見を出さない。

人数不足を補うのは確かに重要だがそれで死人が出たりしたら元も子もない。


「そんじゃぁ………聞き込みとかどや?」

「何か犯人追ってる感は有るが早々情報なんて入ってこないだろう、というかここら辺に人いないぞ」

「何言うとるん、人なら仰山いるやん、主に不良≪チンピラ≫が」

「そんな奴らが素直に教えてくれるのかよ」

「そこはまぁ―――」

「暴力……か」

「わかってるやん」


 お前の事だしなと呟き俺は一応考える。暴力で聞き出すのは良くないが

情報を集めることに関してここら辺にたむろすことが多い不良どもに聞くのは間違ってはいない。

だからといって確実性があるわけでもないが、ただ走り回るよりもいいかもしれない。


「しょうがない、聞くだけ聞いてみよう、話さなかったら無理やりもしょうがない」

「お任せを幸やん」


 その後、俺と暁は近くで屯していた不良どもを見つけて聞き込みを始めた。

結局、暁が全部暴力で聞き出したが、今はしょうがないと諦めるしかない。


「赤髪の男ならさっきあっちに………」


 何件目かで見事に情報をゲットした俺と暁は即効でその場所に向かった。


「やっぱ効果てきめんやん」

「偶然だろうが」


 赤髪が向かったという場所に全速力でかけていく俺たち。

走りながら御影たちに連絡を入れる。


「居たぞ!」


 ある程度走ったところで赤髪の男を発見する。

男の横には少女が立っており、その目の前には30代後半ぐらいの男性が居る。


(ギリギリ殺害前か?)


 赤髪の火達磨使いと隣に居る少女がこちらに振り向く。

俺と暁は即効で距離を詰めて殴りにかかる。火達磨使いの炎は強力だが距離を詰めてしまえば問題はないはずだ。

 あちらもこちらが敵だと即座に認識したのか少女の方がこちらに手を翳したと思うと風の刃が飛んでくる。


(こいつが風使いか………)


 真正面から飛んできている風を横に飛んでよけ更に距離を詰める。


(模倣≪イミテーション≫旋風)


 能力発動と共に一気に加速する。少女と男は既に風がよけられた時点で後退しているため

襲われていた男性を抱えて少しばかり距離をとった場所に避難させる。


 暁は既に火達磨使いとの距離を詰めて格闘戦を繰り広げている。

ただの格闘戦だったら暁が圧勝するだろうが、男の方が微妙に小さな炎を出したりと抵抗するため押し切れて居ない。


「能力使わないのかよ?!」

「俺の能力は発動条件がかなり厳しくてしようできんのよ、まぁそんなんなくても勝つから気にせんといて」


 余裕ように会話をしている暁だが、能力者相手に能力を仕えない状態は危険だと判断し

俺は加勢する為に暁の下に向かおうとしたが、俺の目の前に風の刃が通過して邪魔をする。

 先に少女の方を片付けようと思い俺は距離を詰めようとするが、想像以上に風の刃が的確に俺を捉え

襲ってくるためになかなか近づけない。以前よりも近い距離にいるからか威力も上がっているようだ。

 それでも怪我覚悟で突っ込めばいけるかも知れない。


(行くか?)


 余程の事が無い限り成功するだろう、全速力で突っ込んで殴った場合かなり少女へのダメージがでかいが

殺人犯相手にそんな躊躇もする必要は無いだろう。


「暁! 一気に終わらせるからすこしまってろ!」


 俺は叫ぶと一直線に少女の下に向かう。風の刃で体を切り刻まれるがやはり威力は圧倒的に低い。

確実に一発で戦闘不能にまで追い込む一撃を叩き込むため拳を振り上げ――少女目掛けて突き出す、が。



「――――却下だ」



 突き出した筈の拳は少女の目の前で止まる。先ほど助けた30代後半ぐらいの男の渋い声を聴いた瞬間に……。

俺はすぐさま驚愕に打ちひしがれる思考を切り替え後方に無理やり飛び去る。

 着地しようと体制を整えようとしたとき―――


「却下だ」


 またも男の声が響く、その瞬間、体制を整えようとしていた体が一気に固まる。

地面に激突する寸でのところで俺は手を突き更に後方に飛んで着地する。


「………どうなってやがる?」


 あの男の却下という声を聴いた瞬間に俺の行動が止まる。

圧倒的な一方通行な能力だが………


「能力が使えるのは20年前ぐらいから生まれた人間だけなはずだ?」


 それ以上年上での能力の発現は報告されていない。

だから最高でも年齢は二十歳ぐらいだ。だが見るからに男は30代後半ぐらいだ。


「さぁな? まぁ貴様には関係のないことだ」

「だな………あんたをとっ捕まえれば問題は無い」


 俺は戦闘態勢に入ると風を操る少女が男の前に守るように立つ。


「我等が暴君にお手をわずらわせるまでもありません」

「良い、若輩者に実力の差を思い知らせるのも年寄りの役目だ、最も……さほど変わらんはずだがね」

「了解しました」


 押しのけるようにでてきた男に忠実に従う少女。

俺は一気に距離を詰めるため前方に走り出そうと脚に力を込める。


「却下だ」


 またもその一声で俺の体の動きが止まる。それに危機感を感じ後方に飛びのこうとしたときには既に硬直は取れていた。


(想像以上にやばいな……)


 どうやらあの掛け声一つで俺の行動を拒否できるらしい。

おかしいなんてレベルの話じゃない。そんな声一つで他人の行動を拒否できるなど馬鹿げている。


「いいぞ、その恐怖に歪む顔………貴様の能力は知っている、真似る為の詳しい条件は流石にわからんがな」

「へぇ………そりゃ光栄で」


 あの男の能力が何処まで干渉してくるかが問題だ。もしも俺の能力発動にまで干渉してくるようならば

圧倒的に不利だ。どうやら体の行動は他の行動をすることによってすぐさま硬直は解けるが

能力が発動できないとなるとかなりつらい。


(拒否された瞬間に他の行動をとることもつらいんだが……)


 さて、どうする? 火達磨使いと暁はいまだに戦っていてこちらに気を使っている余裕はなさそうだ。

なら俺一人でどうにかするしかないが、流石にこんな化け物を一人で相手にする自信は無い。

 それに少女はこいつのことを暴君と呼んだ。そのワードは前に聞いたことがある。

今回の事件からしてこいつが親玉だろう。なら逃がすわけには行かない。

 それに御影たちにも連絡してあるから、時間がたてば此処にかけてつけて来るはずだ。


(時間を稼ぐべきか)


「おいあんた、何でこんなことをしている?」

「時間稼ぎだと解りきっているが、答えてやろう」


 どうやら絶対的な勝利は揺るがないとでも言いたいのだろう。

まぁあの能力相手に勝つ自信は無いが。


「と、思ったのだが止めておこう」

「な! おい、最後まで話せよ!」

「時間稼ぎが目的なのだろう? ならその目的は果たされているぞ」


 背後を振り返ると御影とアリスが此方に向かってきていた。

これで三対二、有利になったはずだ。どうやら掛け声が必要な能力らしい事から判断して

息継ぎの一瞬があるのだから俺と御影の速度なら問題ないだろう。


「三人相手ではもの足りんがまぁいい、かかって来るといいぞ」

「お言葉に甘えてそうさせてもらいますかね」


 御影とアリスは状況を理解できていないようだが、御影にはすぐさまアイコンタクトでなんとなく伝わったのか、

俺が男に向かって走り出すと同時に御影も走りだした。

久々の更新になりました。

………………長期休暇は人を駄目にしますね。

時間が有るとついついゆっくり書いてしまいます。


これからはもう少し早く書いていきたいと思います。

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